2007年11月14日 (水)

「オルフェオ」〜北とぴあにて

日本の代表的なバロックヴァイオリン奏者、寺門亮さんが指揮(リトルネロではヴァイオリンも弾く)で、モンテヴェルディ「オルフェオ」が上演されます。

明日11月15日と、そのあとの土曜日、11月17日。
場所は東京都北区「北とぴあ」さくらホール(JRまたは地下鉄の王子駅から歩5分)。

演奏者の方の関係で、今日、公開ゲネプロを聴かせて頂くことが出来ました。
「能」を取り入れた演出が、とても自然に作品にマッチして、美しい舞台でした。
独唱もする人を含めた17人の合唱もまた、大変に良質でした(アルトパートは、なんと、男性、すなわちカウンターテナーの方が2人で歌っています!)。

オーケストラが古楽器(レプリカのようですが)だというのも目玉で、ツィンク(冒頭のトッカータで活躍)やレガール(冥界のシーンに素晴らしい効果を発揮)、キタローネトリプルハープを目に出来るのも嬉しい!
しかも、大変上質の演奏です。

独唱陣は主役(オルフェオ)のジュリアン・ポッシャーさんを除いて全員日本人ですが、これまた、頭が下がるほど上手い方ばかりです。
とくに、「ミューズ/プロセルピーナ」二役の野々下由香里さんの声の美しさには、すっかり惚れ込んでしまいました。

詳しくはこちら。

http://www.kitabunka.or.jp/php-bin/event/event.php?code=20070719001&yy=2007&mm=11


モンテヴェルディの「オルフェオ」は、現在一般的に聴くことの出来るオペラ作品の中では最古のもの(たしか1607年初演でしたね、出版は1609年)で、後年のようにレシタティーヴォとアリアが明確に分離しておらず、そのことが却って作品を魅力的にしています。 「オルフェオとエウリヂーチェ(エウリディケー)」の物語は、ギリシャ神話の本ならたいてい載っていると思いますので、ご存じなかったらこの機会に是非、本屋さんで立ち読みなさってみて下さい。 ・・・私には身につまされる物語です。

スコアは輸入盤しかありませんし、高価ですが、ご興味のある方はご一見をお勧めします。
彼の別のオペラの筆者譜を写真版で見たことしかありませんが、だいたいモンテヴェルディの時代から、西欧音楽の記譜法はこんにちのものとかなり似たものに定着した様が伺えました。
それでも、印刷版のスコアから伺う限り、18世紀以降とは違って、声楽(合唱)部分はパートは音部記号で、器楽部分は特別な場合以外は明示しないでいることが分かります。
そのなかで、しかしモンテヴェルディは主要な箇所では「使用楽器を明示している」のが大きな特徴でもあり、「オルフェオ」が現代でもなお、オリジナルの色彩を失わずに上演できることに貢献しています。
「冥界」の場面でのレガールの明示がなかったら、この部分は「つまらないもの」になってしまって誤伝された可能性も大いにあります。
なお、楽器の指定されていないシンフォニアやリトルネロの部分は、指揮する方によって使う楽器構成が違うようで、どうやってお決めになるのかには非常に興味をそそられますけれど、どなたも結局は「きれいにまとまる」構成を選択なさるので、興味を持つだけ無駄なのかもしれません。

残席があるかどうか分かりませんが、ご都合が付くようでしたら、絶好の機会ですし、内容も見事です、どうぞお出掛けになってみて下さい。

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2007年10月31日 (水)

持続性の「鬱」で悩む方に

「リタリン」の処方が受けられなくなる事態となり、お困りの方もいらっしゃると聞いております。
私自身は服用者ではないのですが、処方が受けられないことで、せっかく職場復帰していたのに、先の希望を失う方もいらっしゃるようです。ただし、実態も把握しづらいのが現状かと存じます。

毎日新聞社:毎日JP(ウェブサイト) トップ > ニュースセレクト > サイエンス > 記事
に、本日下記記事が掲載されました。

【引用】
トップ > ニュースセレクト > サイエンス > 記事
(URL~http://mainichi.jp/select/science/news/20071031k0000m040178000c.html
リタリン:東京のクリニック本格捜査へ 無資格医療容疑で
 依存性の高い向精神薬「リタリン」の乱用問題で、「京成江戸川クリニック」(東京都江戸川区)が、医師免許のない職員らに薬剤の処方せんを出させていたことがわかった。警視庁生活環境課は、医師法違反(無資格医業)の疑いで本格捜査に乗り出す方針を固めた。乱用問題が刑事事件に発展する可能性が出てきた。【精神医療取材班】

 京成江戸川クリニックは、旧厚生省薬務局課長補佐や公衆衛生局精神衛生監査官などを務めた経験がある院長(67)が開業。関係者によると、クリニックには院長だけしか医師がいないにもかかわらず、院長が今年8月に体調を崩して入院した後の約1カ月間、医師免許を持っていない病院職員らが薬剤の処方せんを出すなどしていたとされる。職員らは院長の指示か了承を得ていた可能性があるという。

 東京都などは9月、同クリニックと東京都新宿区の「東京クリニック」に対して、医療法違反(不適切な医療の提供)の疑いで立ち入り検査を行っている。職員らによる薬剤の処方は、医師法に違反する疑いが強いという。

 両クリニックは、インターネット上で「患者が要求すればリタリンを大量に出してくれる医療機関」として評判になっており、患者の家族らからは、「リタリンを処方され続け、薬物依存になった」などの相談や苦情が東京都や地元の保健所に多数寄せられていた。

 リタリンは塩酸メチルフェニデートの商品名。依存症や幻覚・妄想などの副作用があり、若者らの乱用が社会問題化していた。製造・販売元の「ノバルティスファーマ」(東京都港区)は今月17日に適応症からうつ病を削除するよう申請、26日に厚生労働省に正式承認された。同省はリタリンを処方できる医師や医療機関を登録制にして流通を制限する方針も決めている。

毎日新聞 2007年10月31日 2時30分

調査そのもので事態が「窮屈な」方向にではなく、少しでも「正しい服用者」への救済の方へ動いてくれれば、と願うばかりです。

ただ掲載のみで、お読みになってくださる方のお役に立つわけではなく、遺憾ですけれど・・・

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2007年6月18日 (月)

バイオリン製作で1、2位:チャイコフスキー国際コンクール

2007年6月16日に、JIROさんのブログに掲載され、またJIROさんからも直接おしえて頂きました。
こんな「大ニュース」が、新聞各紙に「小さく」報じられていたそうです。

いま、検索して見つけた山梨日々新聞の記事を引用します。

【モスクワ、ローマ13日共同】モスクワの第13回チャイコフスキー国際コンクールのバイオリン製作者部門で12日、名古屋市出身の菊田浩さん(45)が優勝した。2位には、大阪府枚方市出身の高橋明さん(36)が選ばれた。
 2人はストラディバリらバイオリン製作の巨匠を生んだイタリア・クレモナで学び、現在は同地の別々の工房で製作に取り組んでいる。
 菊田さんは、バイオリン製作の世界3大コンクールのうち、ポーランド西部ポズナニで昨年開かれた第11回ヘンリク・ビエニアフスキ国際バイオリン製作コンクールでも優勝しており、今回で「2冠」を手にした。
 名古屋市の実家で優勝を知った菊田さんは「(コンクールの)難易度が高いので信じられない。出品した楽器は、特別に作ったものではなく、いつもと同じ気持ちで作った」と話した。高橋さんはクレモナで「菊田さんは友人で、良い意味でのライバル。技術、音響面で相談し合う仲だ」と喜んだ。

なお、菊田さんのブログで知ったのですが、4位入賞も日本人の天野年員さんなのだそうです!
スゲエな!

入賞者のお一人、高橋さんが、上記JIROさんの記事にコメントもお寄せになっているので、お読み頂ければ幸いです。
僭越ながら私も高橋さん(楽しい、役に立つHPを作っていらっしゃいます)にメールを差し上げましたが、丁寧なご返事を頂戴しました。HPは「おすすめサイト・ブログ」にもリンクを常設しましたので、是非ご覧下さい。
「なお充実したHPにしていきます!」と仰っていらっしゃるけれど、楽器をお作りになる方がいっそうお忙しくなられて、ここまでの内容で止まっちゃうんじゃないかなあ・・・と、それだけが心配です。
大変価値のあるページだと思います。どうぞ、ご覧になって下さい。

菊田さんのヴァイオリンの写真掲載サイトも見つけました!
菊田さんのサイトは、こちら
これも、さっそく「常設」にしました!


「手仕事のニッポン」という本が、あったような、なかったような、遠い記憶があります(柳さんの本でしたね)。
私の家は、絶えましたけれど、塗師の家でしたので、「手仕事」という言葉には親しみとともに信仰にも似た気分を醸し出されます。
実際の日本の手仕事は、明治以降、工業化の推進とともにゆるゆると姿を消し始め、第二次世界大戦の敗戦で、ほぼ完全に消滅しました。残っているのは「文化を守ろう」という意識を守り続けた一部の地域だけでしょう。残った手仕事が、そんな高い意識のもと、正当な価値を今でも保っているのは、少しは喜ばしいことではあると思っております。ですが、一方で、「日常の中の手仕事」は、実はほとんど絶滅したのだ、という事実には、どれだけの視線がまっすぐに向けられているでしょう?
私自身、祖父が漆を塗っていた光景をかろうじて記憶しているだけで、漆を塗る工程については全く覚えておりません。なにせ、私の子供時分に塗師になる、などといったら「お金にならない」ので、とてもウンと言ってもらえる状況ではありませんでしたし、それ以前に、「塗師」という職を継がせること自体、祖父には念頭にありませんでしたから、孫が「手仕事の貴重さ」など、認識する余地は全くなかったといえます。
会社に入って、塗料のことも若干扱う必要が出たことがあって、そのとき、雑談で
「わたしんちは塗師の家だったんです」
と言ったら、意地悪な上司が、見るからに漆塗りではない椀を手に取って、
「じゃあ、これはどんな漆を使っているんだろうねえ。」
ときいてきました。漆以外に塗料の名前なんか知りませんでしたから、
「まあ、そこいらに生えているやつでもしぼってとったんじゃないですか?」
と、いい加減に答えました。・・・このころ盛んに使われていたのは、じつはウレタンです。
今でも、思い出すたび、あの上司は人間以下だ、と思っております。

まあ、私怨は、どうでもいいですね。

モノがたとえ外国由来であれ、日本人の丁寧な手仕事が認められた、ということは、今の世の中にとっては最もすばらしいニュースであるはずです。
悲しいのは、それを認めてくれるのは、「まず国内の人たち」であるべきはずなのに、順番が逆だ、ということです。
高橋さんのお話にありますが、報道陣は、チャイコフスキーコンクールに製作の審査部門があることを知らず、従って、審査過程の取材は全くなかった、ということです。
報道になくても、まあ、高橋さんのブログを拝読すれば、どういう過程でヴァイオリンを制作し、チェックを受け、コンクールに品物が向かい、審査を受けたか、はつぶさにわかります。新聞なんか読むより、よっぽど話がよく分かって、「ネットも、なかなかいいじゃねえか!」と思ってしまいました。

私自身、「楽器のことを知らずして良い音が出せるか!」と、何度も口を酸っぱくして叱られ続けてきましたけれど、正直言って、そう言われても楽器の作りについて知るためのチャンスはあまりありませんでした。ヴァイオリンで言えば、普通に出回っている本にはせいぜい「魂柱とバスバーで音が決まる」程度しか書いておらず、胴だけではない、指板やテールピースの寸法や高さ、駒の傾斜、糸巻きの滑らかさの度合い、顎宛の締まり具合までがどれだけ音の響きに関わるかは、学生時代にK先生が手作業するのを脇で見て、漠然とイメージで知った、と言う程度で何年も過ごしてきてしまいました。

菊田さん、高橋さん、天野さんの受賞をきっかけに、「本当の響き」とは何か、を日本人も本気で考える習慣が浸透していくようだったら、すばらしいのだけれどなあ。
この入賞(優勝と第2位・第4位)は、演奏のコンクールでの入賞よりも遥かに高い価値を持っていると思います。
ストラディヴァリだからいいんじゃない、グァルネリだからすばらしいんじゃない、その響きがいかに維持されてきたか、が大切なはずなのです。良い音の演奏と言うのが、製作やメンテのうえでの「音作り」に、いかに多くを負うているか、が、本来は最も重要なはずなのです。
こうした点を見直すことを通じて、ヴァイオリンに限らず、出来れば日本の伝統工芸に至るまで、その持っている本当に核心となる意義を再発見出来るだけの視野が、私たちにあたりまえに広がっていける日が来ることを、心から祈りたいと思います。

ちなみに、Yahooで検索したところ、ヴァイオリン製作のコンクールには以下のようなものもあるそうです。

チェコ共和国 ルビー国際ヴァイオリン製作コンクール
ヴィエニアフスキー国際ヴァイオリン製作コンクール
全イタリアヴァイオリン製作コンクールヴァイオリン部門
クレモナ国際ヴァイオリン製作コンクール(通称トリエンナーレ)
ドイツ・ミッテンバルト国際バイオリン製作コンクール
・・・まだまだ、あるんでしょうけれど、こんなところで。

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2007年1月 8日 (月)

ウイーン・リングアンサンブル in 松伏

2007年1月7日、埼玉県松伏町の田園ホールエローラで、素晴らしいニューイヤーコンサートを聴くことが出来ました。
演奏者は「ウイーン・リング・アンサンブル」。9人の変則的な編成から成る団体です。時々臨時に結成されるのか、主催の松伏町に意図があって大々的な宣伝を控えたのか、大変重要なことが、プログラムには記載されていませんでした。
このアンサンブル、全員が実はウィーン・フィルのトップクラス奏者です。楽器別に、ウィーン・フィルでの略歴を記すと、以下の通りです。

第1ヴァイオリン:ライナー・キュッヘル~1950生、1971入団。首席コンサートマスター
第2ヴァイオリン:エクハルト・ザイフェルト~1952生、1976入団、第1violin奏者(良く2プルト目で弾いていらっしゃいます)
ヴィオラ:ハインリヒ・コル~1951生、1983入団。ヴィオラ首席奏者
チェロ:ゲアハルト・イベラー~1958生、1988入団。キュッヘル氏、ザイフェルト氏、コル氏と共にウイーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団のメンバーとなっている。
コントラバス:アロイス・ポーシュ~1959生、1981入団。リスト上ではコントラバスパートの筆頭にお名前が記載されています。
フルート:ヴォルフガング・シュルツ~1946生、1973入団。リスト上ではフルートパートの筆頭にお名前が記載されています。
クラリネット:ペーター・シュミードル~1941生、1968入団。リスト上ではクラリネットパートの筆頭にお名前が記載されています。
クラリネット:ヨハン・ヒントラー~この方だけ、詳細を把握していませんが、同じパートにハンス・ヒントラーという方がいらっしゃり、その縁者かも知れません。
ホルン:ギュンター・ヘーグナー~1943生、1971入団。ホルン吹きの方には良く名前が知られているはずです。

コンサートは、
「ホールも楽器なんだなあ」
ということをよくよく感じさせてくれる、面白い立ち上がりでした。最初は、鳴りがこなれず、音が籠って響きが充分に拡がらない。それが、あまり立たないうちに曲中で次第に、まずはメンバー同士が共鳴し始め、次にメンバー全員を覆う紫雲のように漂い、そんな過程を経て初めて、客席まで音楽が伸びて届いてくるのです。これは、奏者がホールといかに付き合うか、を身につけようとしたら、恰好のヒントではあります。
次に嬉しかったのは、9人という選抜メンバーでありながら、ちゃーんとウィーン・フィルの音色がしたことでしょう。技術さえしっかりしていれば、厳密なアンサンブルをしようと無理な努力をする必要がない。ウイーン・フィルはそれを体現したオーケストラです。何十人いても、たった9人でも、同じ技術力、同じ精神で音楽をしているから、何も変わらない。したがって、批判的に物理的に聴けば、アインザッツなんかしょっちゅうズレます。が、実際問題として、音楽として聴く上では、ズレには何も支障が無いばかりでなく、むしろ響きに暖かみさえ加える点で歓迎すべきものでもあります。・・・みっともない、非音楽的なズレ、は、彼らのように音楽がすっかりしみ込んだ人達は絶対に起こしませんから。
もうひとつ、特筆すべきは、ここ25年ほどのフルオケでの正規のニューイヤーコンサートと違い、リングアンサンブルのニューイヤーコンサートには、ボスコフスキー時代のユーモアが随所に生きていたことです。
「ハンガリー万歳」でのラストの掛け声。
「観光列車」で車掌の帽子を被っておどけるフルート。
ワルツ「水彩画」に挟み込んだ、力強い足の踏み音。
アンコール2曲目の「ラデツキーマーチ」、トリオではフルートとクラリネットが、どちらかがヒマだと相手にちょっかいを出し合う。・・・近年のニューイヤーコンサートでは、絶えて見られなくなった光景です。これをみることの出来た人は、最高に幸せなはずです。

弦楽器が伴奏に回る際のキザミのリラックスしきった奏法は、日本の弦楽器奏者すべてに是非見せたい。日本のオケマンのキザミは、プロもアマも問わず、手首を固め、肘を固くしているので、響きが拡がりません。この点は一流奏者でもしばしば見せる欠点です。ウイーンの連中に学ぶ謙虚さが必要なのではないでしょうか?
弦とのバランスに、もう条件反射的に楽々と自分を抑えたり主張したりする感覚を備えている管楽器陣、またコントラバスも見事でした。ホルンは、「ウイーンの森の物語」で、たった一人で、ですよ! 近くで鳴る角笛が、だんだん遠くへコダマとして消えていく有り様を見事に描ききった吹きぶりでした。・・・ああ、こういうのを、いつも身近で聴くことが出来たら、奏者たちはもっと工夫をするんだろうなあ。。。

プログラムは以下の通り。
「こうもり」序曲
「芸術家の生涯」
ポルカ「アリス」(J.シュトラウス1世)
「ハンガリー万歳」
「ウイーンの森の物語」
ポルカ・シュネル「観光列車」
(休憩)
「天国と地獄」序曲(オッフェンバック)
「パニッツァ・グルーヴ!」(藤倉大)
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」
ワルツ「水彩画」(ヨーゼフ・シュトラウス)
ワルツ「人生の電鈴」(ランナー):ヴァイオリン2、ヴィオラ、コントラバス
オペレッタ「ほほえみの国」メドレー(レハール)
「天国と地獄」~カンカン(オッフェンバック)
(アンコール)
「青きドナウ」
「ラデツキー行進曲」

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2006年12月17日 (日)

新モーツァルト全集の無償PDF公開

な、なんと、「新モーツァルト全集」が無償公開されました。PDFでダウンロードできてしまいます!


今日は綴れることがないのですが・・・(ここのところ「あれも聴きたい、これも読みたい」と買い込み過ぎて、なにひとつ完全に消化していません)。

(08.01.21リンク修正しました。)

生誕記念年だった某作曲家の全作品解説本が、予定日を遥かに過ぎてやっと出ました。
で、楽しみにしてちょっとお店で立ち読みしたのですが、
「音楽学の学者さんって、これくらいのお仕事で満足なさるの?」
という内容で、翻訳者の皆さんも専門家ばかりだそうですが、最近手にしている、別の作曲家の音楽解説書に比べて、翻訳者による付加価値も見いだせず、ガッカリして購入しませんでした。・・・そちらの訳者は音楽ではなく、社会学を勉強なさった方です。ある別の音楽学者さん(日本人)の著作に原著及び翻訳を文献リストに載っていますが、リストに載せた音楽学者さんの該当する部分の記述は
「文献を本当に熟読したのだろうか?」
と疑問になるほど、関連情報については的をはずした議論を書きなぐっているように・・・自分に都合のいい解釈を施すためにだけ突っ走っているように見受けます。

全ての音楽学者さんがそうだ、とは思いたくありません。
ですが、作品解説のような、小事典として使いたくなるこの手の内容だったら、編纂については歴史学者さんの方が遥かに優れています。
たとえば、日本史関係の「便覧」的な本でも、中世史関係なら素人には中世史が俯瞰できるように、専門的な学習者向けには文献等の所在が明確に分かるようになっています。
「日本史だから当たり前じゃないか」
と言われそうですが、日本人の手になる世界史の啓蒙的な便覧書にも、典拠を示すだけでなく、使い手が著者の論拠を日本語翻訳で探しやすいような便宜まではかってくれる丁寧な作りのものも少なからずあります。
あるいは、演奏家の方が、よっぽど良い本を書けるほどの研究をしているのではないか、とも感じます。
ただし、演奏家はよりよい演奏に資するために研究するのですから、研究書を書くまでのゆとりはないでしょうし、あってもイケナイのでしょう。。。残念ですが。(極めて少ないとはいえ、ラインスドルフやパドゥラ=スコダ、朝比奈隆など、「演奏のための」楽譜の読み方を徹底的に教えてくれるものも皆無ではありません。ピアノですと日本の人にも著書が多いですね。)

まあ、ガタガタ言っても仕方ありません。
実は、その「全作品解説」をネタにするつもりでいたのですが、パーになってしまって、つい愚痴に屁理屈を上塗りしてしまいました。

代わりに、JIROさんに頂いた貴重なネタを、再度、きちんと公表してお茶を濁します。
(というか、この記事のトップに、もうリンクを貼りました。本文まで読んで下さった方、愚痴に付き合わせて大変申し訳ありませんでした。)

実は、昨日"Exultate, jubilate"の記事を綴った末尾に載せました通り、新モーツァルト全集がPDF形式で無料ダウンロード出来るようになった、というビッグニュースなのでした。

・・・それだけ、なんです。ホント、失礼しました。
まずは記事冒頭のリンクから実際に覗いてみて下さい。
それで充分、今日のお粗末のお詫びになるかと存じます。

JIROさん、あらためて情報ありがとうございました。)

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2006年12月 2日 (土)

エローラ演奏会<見どころ>12.3埼玉県松伏町 TMF

どうせですから「聞き所」じゃなくて「見どころ」をご紹介します! アマオケならでは、の奇観奇景(団員の皆様、失礼。)を楽しんで頂けます・・・たぶん。
曲目はご存知のものばかりだし、解説は中学校の教科書にも、当日のプログラムにもありますしネ。



1)開演

*普通の場合、当団の演奏会では、指揮者登場とともに、スポットライトがあるわけでもないのに、指揮者の頭上がそこだけ急に強い光を発し、光は天井に映って、指揮者が歩くのと一緒に移動します。指揮者が登場したら、まず天井をご確認下さい。

*ヴァイオリンで一番前、指揮者の一番そばにに座っている太ったオジサンは、オーケストラの演奏中のコミュニケーションを保つため、指揮者の合図に合わせて動いたりします(コンサートマスター、というお役目です)。
が、当団のコンサートマスターは、いつもダイエットを意識してオーバーに動きすぎるので、イスに体重の何倍もの力をかけてしまいます。
本番中よくイスを壊し、各地のホールで非常に不評を被っております。
また、団の赤字の大きな原因にもなっており、一同いつも悩まされております。
・・・さて、今回はイスをいくつこわすでしょう?



2)「英雄」・・・最初の曲

*私に身近な中学生ども(うちの姪と娘)は、この曲が鳴り始めると
「・・・こおきょーきょくだい3ばん。」
「ひでお。」
「クククク・・・」
と訳の分からぬ笑いを繰り返します。運悪く隣にお座りになった方、お許し下さい。
アタマの造りに問題はあるものの、不審人物ではありませんので。。。スミマセン。



3)「白鳥の湖」・・・2つ目の曲(休憩のあと始まります)

*最初の曲の有名で繊細なメロディを吹くのは、オーボエの、大きな体のお兄さんです。
心の優しいお兄さんです。ふだんでも、美しいメロディを吹きながら、オデットに同情して目に涙をうかべているほどです。
吹いていて、だんだん「白鳥オデット姫」に成り切ってしまいます。
それで練習中は、お兄さんが踊り出そうとするのを、みんなで必死になって押さえ込み、とめてきました。
でも、本番では、何が起こっても、もうだれも止めることが出来ません。
もし踊り出してしまったら・・・どうなるか、ドキドキしながらお兄さんを見つめて下さい!
(あ、Hさん、プレッシャーかけるつもりは全くありません!! おラクにどうぞ!!)



4)「モルダウ(ブルタヴァ)」・・・3つ目の曲

*最初のところはフルート2人で始まるのですが、これを吹く二人のオジサン、いつも仲が悪いので
「またタイミングが合わないぞ!」
「ちゃんと合わせろよ!」
「なんだと、お前こそ!」
「クソォ!」
と、いつも胸ぐらを掴みあって喧嘩をします。(・・・YさんMさんゴメンナサイ、ウソですよね。)


*この曲、全体の作りと各パートの起こすトラブルは次のようになっておりますので、楽しんでご見物下さい。

・弦楽器(ヴァイオリンとヴィオラとチェロとダブルベース)は「川の流れ」を表わすのですが、みんな、水のきれいな川を見たことが無いので、流れをジャマするゴミを額に汗しながら払いのけ払いのけ弾いています。どんどん顔が真っ赤になっていき、湯気まで出ます。よく目を凝らしてご覧下さい。(なお、現実のブルタヴァ【モルダウ】川は温泉ではありません。「湯気が出た!」からといって、くれぐれも誤解したままお帰りにならないように、ご注意下さい。)

・木管楽器(フエ)は川沿いに暮らす人達の気持ちを表しますが、これが、いたって明るくてノンキで、「白鳥の湖」ではお兄さん一人で済んでいたものの、この曲ではみんなで踊り出しちゃったりします。それでギックリ腰になってしまったオジサンが一人いるので・・・心配です。さて、どのオジサンがギックリ腰を起こした人か、みていて分かるかな?

・金管楽器(ラッパ)の方が、風景の変化を表します。そそりたつ岩や切り立った崖を通り抜けて、川が美しいお城の脇を流れるまでに・・・町が洪水で流されないか、または建物が崩れて川を埋めてしまわないか・・・ハラハラ、ドキドキのスペクタクルに、彼らはどのように挑むのでしょうか?お楽しみに!

・打楽器、ハープは、絵でたとえれば、川が人々の笑顔や暮らす町・村、そこを照らすお日さま、お月さまの光を表現する絵の具です。どんな色づかいなのか、音から見えてくるでしょうか? 見えた、と言っていただけたら、とても嬉しいです。あとで実際に絵に描いてみていただけたら、もっと幸せです。



12月3日(あす日曜日)14:30に開演します。
宣伝ばかり致しておりますが、ご容赦下さい。

アクセス等の詳細情報はこちら(色の変わっているところ)をクリック下さい。
団員一同、ご来場を心よりお待ち申し上げております。

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