« ひとの価値観【こどものころ(3)】 | トップページ | 遊び【こどものころ(5)】 »

2013年6月11日 (火)

こどもたち 【こどものころ(4)】

【こどもたち】

となりのばっぱも、でしたが、裏のユザさんのおばちゃんも、キセルで煙草を吸う人でした。
おばちゃんの名前がマサヲだったのか、息子さんがマサオさんだったのか、もう記憶がごちゃごちゃで分からなくなりかけているのですけれど、おばちゃんがマサヲだったはずです。イチヂクの砂糖漬けを作るのが上手で、出来ると祖母がもらいに行きました。

裏と言っても、隣のかたまりの北側だったのですが、そこには三軒並んで同じ年頃のおにいちゃんおねえちゃんがいました。その北隣もそうでした。

ユザさんの息子さんがいちばん年長だったのか、そんなに馴染みがありませんでした。でも、なんだかずいぶんハンサムな人だったのだけ忘れずにいます。

ユザさんの東隣のキクチさんちがサダノリちゃん、レイコちゃん、ヒロちゃんの三人兄弟で、末のおにいちゃんだったヒロちゃんに、いちばんよく遊んでもらいました。出たてのカセットレコーダを買った時には、それでよくクラシック音楽を聴かせてもらいました。覚えているのは「新世界」だけなのですけれど。
サダノリちゃんは頭が良くて将棋が得意でした。おばちゃんはいつも
「一高に入れるんだ」
と張り切っていましたが、サダノリちゃんはほんとうに一高に入ったのでした。
レイコちゃんは演歌系が好きでした。キクチさんちにはふくろうの剥製があったのですが、レイコちゃんはそれで僕をおどかすのが好きなのではなかったかな。違ったかな。記憶の中の、数少ないお姉さんのひとりです。
僕は恐がりだったので、キクチさんちではそれでよくからかわれました。
あるときはテレビで四谷怪談を見せられて、僕はすっと隠れて、柱の陰から半分顔を出してそれを見たのでした。

ユザさんの西隣はキクモトさんで、おにいちやんのマサル君は、ギターを弾きながら加山雄三とかビートルズを歌うのが好きでした。グループサウンズが流行るといちはやくタイガースとやテンプターズの曲を歌って教えてくれました。
弟のターちゃんが、やっぱりよく遊んでくれました。外遊びはターちゃんが近所の子供たちを束ねて連れて行ってくれました。
ターちゃんは中学を卒業して
「オレは金の卵だ」
というので集団就職で東京に行きましたが、何年かあとに帰って来て、地元でお嫁さんをもらいました。

キクモトさんちの裏のフルサワさんは、おじさんが服の縫製をしていたのではなかったのかな、と思います。ここのお兄さんのほうの名前が、なぜだか思い出せません。お兄ちゃんは出来て間もない三高に入りました。三高のある山まで自転車で通っていました。学生帽に学ランがえらく大人びて見えて、とてもあこがれたものでした。弟のヒトシ君のほうも頭が良くて、ニュートン式の反射望遠鏡を持っていて、屋根に登って星を観測したりしていました。ベネット彗星が出現した時には写真に撮って、それを僕にくれたりしました。その写真はずっと大事にしていたので、実家に帰ればアルバムのどれかに貼ってあるのではないかと思います。歌が好きなお兄さんが多かった中で、星が好き、というのは異色で、お兄ちゃんの学ラン姿共々、なんだか憧れの存在でした。

同年輩では、何だかんだで身近だったのはS酒屋の「パパママ」のタカシ君になります。
仲がいい訳ではないくせに、よくいっしょに遊びました。
S酒屋には、父に言いつかって、缶ピー(缶入りのタバコのピース)を買いに行きました。そこでタカシ君に会って、お店のものをこっそりもらったことがありました。タカシ君はそれがバレてあとでこっぴどく叱られたらしくて、その時ばかりはタカシ君に悪いことをしたなあ、と思ったりしました。

バス通りをはさんで向こうのヨコタさんちには、笑うと止まらなくなるエッチなエッちゃんがいて、タカシ君と仲良しでした。

三人とも、同じ幼稚園に入りました。
長くて二年間、でしたので、5歳の誕生日を迎える年に年少さんに入るのです。

幼稚園に入ってからは同じ年の友達が増えました。遊びに行く範囲も、それから広がったのでした。
僕らの住宅は窪地にありましたけれど、そこから東は田んぼが広がるところで、そこから幼稚園に通っていたのがカッちゃんでした。走るのが速くて、競争するといつもいちばんでした。からっと明るくて、おうちもたぶん豊かだったのでしょう、どこか気前が良くて、ふだんはいじめっ子のくせに、だれかがいじめられて泣いていると、その子を泣かせたヤツをつきとめて仇をとってやるのでした。それで、みんなはカッちゃんを親分と仰いでいました。
が、口がいちばん達者なのはタカシ君で、口喧嘩ではカッちゃんもタカシ君には負けました。
カッちゃんにやられそうなときに頼りになるのは、タカシ君なのでありました。

僕らの住宅の南側の高台には出っ歯のトシちゃんやヤクザなヒロノリ君や照れ屋のトシユキ君がいましたし、その麓の自転車屋からはホシ君、自転車屋の斜め向かいの魚屋さんからはエンドウさんが、幼稚園に通って来ていました。

子供たちがどんな遊びをしたか、は、また別のときに綴ってみようと思います。

|

« ひとの価値観【こどものころ(3)】 | トップページ | 遊び【こどものころ(5)】 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/52002703

この記事へのトラックバック一覧です: こどもたち 【こどものころ(4)】:

« ひとの価値観【こどものころ(3)】 | トップページ | 遊び【こどものころ(5)】 »