« ちょっとうれしかったこと | トップページ | 浅草不思議空間 »

2009年12月 5日 (土)

これ以上、下手にならない。

どなたも、お変わりなくおすごしでしょうか?

先日、日本を代表する画家、平山郁夫さんが亡くなったのはご承知の通りかと存じます。

平山画伯のお人柄に接したおふたかたのお綴りになった文は、それぞれに胸打たれるものでした。
私には、それらを前にして、何の駄弁を弄する術も持ちません。

ひとつは、JIROさんのブログでして、これはどなたも直接お読みになれますし、転載・引用等のお許しを得ていませんから、リンクを載せておきます。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/12/30-e8b7.html

溢れる思いを、押さえようとしながら押さえ切れない、でもやっぱり押さえなくては、とお感じになりながら綴られたのではないかと受け止めております。

もうお一方のものは、ミクシイをご利用の方でないと全文が覗けませんので、引用させて頂きます。



(以下、引用)

 早すぎるご逝去に言葉を失いました。何歳であっても、本当に残念です。
平山画伯が、うんとお若い時、チラリとお目に掛かったことがあります。
数十年も昔、神戸・三宮で画商の方の講演が有り、それを聴きに行きました。
講演は絵画関連の集会で、日頃、聞けないようなお話が多く、興味津々でした。

 画商の仕事は、絵を売るだけじゃなく有能な画家を探し育て上げることだそうです。何人、世に送り出したか、それも大きな使命と聞き、感心・納得しました。

 その講演が終わったとき、画商さんは、小柄で若い大人しそうな男性を招き演壇の右横に立たせ、「彼は平山郁夫といいます。今、駆け出しですが、とてもいい素質を持っている。応援してやって下さい。」と仰ったのです。

 若い青年は緊張している風で、固いお辞儀をしました。後年、方々で平山さんは業績を伸ばし有名になって行かれました。あの同じ会場にいた平山さんが逝き、私は何もなくただ生きています。神様が平山さんを呼んだのでしょうね。

 新聞各紙が、コラムで平山さんを取り上げています。朝日新聞の《天声人語》に心惹かれたので、転載します。ご覧下さい。


★ 2009年12月4日(金) 天声人語
 戦後すぐ、意気揚々と東京美術学校(現東京芸大)に入学した150人に、校長は訓示を垂れた。「諸君らのうち宝石はたった一粒です。その一粒を見つけるために君らを集めた。他は石にすぎません」。亡くなった平山郁夫さんの回想である▼自分は「石」だと思っていたそうだ。3年生のとき、ついに見切りをつける。だが新任の先生に「君の絵はこれ以上、下手にならない。おおらかにやりなさい」と言われ、続けることにした。この一言がなかったら、膨大な画業の一切を、私たちは目にできなかったかもしれない▼大河を思わせる画業の原点には、広島での被爆があった。だが15歳で見た地獄は、画家の筆を凍りつかせもした。描きたいのは「平和」だったが、原爆の絵は心の傷口を広げるのが怖くて描けない。悩み抜いてたどり着いたのが仏教だった▼「怒りではなく『平和への祈り』こそが私のテーマだとやっと気づいた」と、のちに語っている。以来、出世作の「仏教伝来」からシルクロードをめぐる作品まで、その活躍に詳しい説明は要るまい▼20年ばかり前、中国西域の砂漠の街カシュガルの民家で、平山さんの絵を見た。小さな複製をウイグル人一家が粗末な額に飾っていた。娘さんの言葉が良かった。「この絵のような砂漠が好きです」▼厳しい光景も、平山さんの内面を通るうちに浄化され、静謐(せいひつ)な叙情となって画布に現れる。それが砂漠の民も魅了したのだろう。娘さんは自分も描きたいと盛んに言っていた。一粒の宝石に、今ごろなっているだろうか。
http://www.asahi.com/paper/column20091204.html?ref=any

------------------------- 転載 終わり -------------------------

(引用、以上)


「君の絵はこれ以上、下手にならない。おおらかにやりなさい」

・・・いい言葉です。


最近綴った記事

・「小松亮太とタンゴへ行こう」(書籍ご紹介)
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-de3a.html

・中学4教科愚問集
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-b7f1.html

・数(すう)としての音楽
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-7b02.html

・のだめ23巻
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/23-aa12.html

・マーラー「さすらう若人の歌」から:好きな曲028
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/028-020b.html

・「松下真一」という作曲家
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-f3d1.html

どなたも、お風邪など召されませんよう。

|

« ちょっとうれしかったこと | トップページ | 浅草不思議空間 »

コメント

 けんけん様
 晴れがましいこのようなお座敷に、拙い日記をご転載下さり、有難うございます。
平山さんのご逝去は、どの新聞も取り上げましたが、この天声人語は心に沁みました。
けんけん様のおっしゃる箇所も良くて、子供達にもいつか話したいと思いました。
でも、思わず胸が迫ったのは、《最後の一粒の宝石に、今ごろなっているだろうか。》と
言うところでした。

 今頃、平山さんは、ご自分の絵をそんな風に愛して呉れてる人達のお宅を、次々、
訪ねて行ってるんじゃないでしょうか。その旅路の平穏なること、言うまでもないでしょうね。

 毎年、院展に登場する平山さんの大作を楽しみにしていました。秋に上野で始まる院展が、
巡回して岡山に来るのはお正月です。ひょっとしたら、遺作にお目に掛かれるのでは・・・、
と期待しています。絵の名札に黒いリボンが付いてないことを祈りたい思いです。

投稿: さざ波moo | 2009年12月10日 (木) 12時26分

mooさま

このたびは転載をお許し頂き、本当にありがとうございました。
(晴れがましくはございませんで、ささやかな場所でお恥ずかしい限りです。)

JIROさんにも、あとで「私のも差支えないよ」と仰って頂いたのですが、オリジナルにリンクをしましたし、皆様には是非そちらで、雰囲気も読んでいただきたいと思っております。
転載させて頂くにあたって絵のほうを掲載するのは控えましたが、返す返す惜しいことと思っております。

今度も、頂いたコメントに、なにも付け加えることがありません。
すべて、仰る通りかと存じます。

またお許しを請うことがあるかと存じます。
懲りずに宜しくお願い申し上げます。

投稿: ken | 2009年12月10日 (木) 22時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/32495549

この記事へのトラックバック一覧です: これ以上、下手にならない。:

« ちょっとうれしかったこと | トップページ | 浅草不思議空間 »