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2008年8月30日 (土)

「古楽奏法」と言ってしまうことの<マヤカシ>他(最近の記事)

使用しているプロバイダのニフティが、ファイルのアップロードサイズを1MBに制限する措置を9月8日以降講じることが決まりました。それではこれまでのように長い音楽を聴いて頂くことが出来なくなりますので、9月にはいり次第、何らかの対策を講じたいと考えております。

で、まだ期日があるので、ブラームスの交響曲第4番終楽章を3例(1934年録音のワルターによる、当時の常識的なノンヴィブラート演奏、ノリントンによる現代だからこそのノンヴィブラート演奏、40年代以降続いて来たヴィブラート演奏の中でもノリントンに先立って音楽の純度を重視したと私には思われるクライバーの演奏)をアップしました。合計で30MBです!

どうも、大きいファイルがアップできると、スパムなどで悪さをする連中がいるようで、ニフティにクレームは入れたのですが、ホンネでは同情しています。昨今のシステム屋さんは、本当にハードワークです。



先般アーノンクールの著書を読み進めるにあたり、あらためて最近の特に日本の「モダンオーケストラ」が標榜する<古楽演奏を取り入れました>的売り込みかた、あるいはそれをモダンの演奏と「別物」と信じきっている音楽家の存在に強い疑問と危惧を新たにしました。

これまで幾つも確認を取って来ましたが、歴史的に、「モダンオーケストラ」は1930年代後半まではノンヴィブラートで演奏するのが普通でした。
ただし、1925年あたりの演奏から(ちょうどヴァイオリニストの世界でもクライスラーが「初めて」ヴァイオリン演奏にヴィブラートを恒常的に取り入れた時期です)は、例外的に、指揮者が表現上必要だと考えた場合には、主題にヴィブラートをかけさせる、ということが始まっているようです。ジークフリート・ワーグナーが父の作品を演奏した際のものに、はやくもそういう例を見出せます。

ただ、1938年段階では、フルトヴェングラーも、シューマンの交響曲第4番の演奏に際してノン・ヴィブラートを貫いていることは、以前にも申し上げたかもしれません。

そのことを踏まえ、とりあえず、どなたにもお聴き頂く材料としてブラームスの第4交響曲終楽章の例を掲載しておきました。詳しい考察は、少し時間をいただきたいと存じます。


営みは生死を超えて:リパッティの演奏を聴きながら
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_df88.html
 *「音楽」とは、私たちの生死において、本質的に何であるか・・・考え始めたばかりです。

ブザンソン音楽祭における最後のリサイタルMusicブザンソン音楽祭における最後のリサイタル


アーティスト:リパッティ(ディヌ)

販売元:EMIミュージック・ジャパン

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フリー・ワーキングプア・ニート・音楽屋
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_4d1a.html
 「音楽」を職業とした場合の、経済的な側面が、他の職業とどう同じで、どう異なるかを、まず考えてみました。下記は、この点でもっとも「実体験に基づいた私たちへのエール」の書です。

Bookフリーという生き方 (岩波ジュニア新書 569)


著者:岸川 真

販売元:岩波書店
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モーツァルト:教会ソナタ3作(1777/9)
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/17779_32bb.html
 *久々にモーツァルトに手をつけました!
  でも、モーツァルト理解を進めるためには、考え始めたことも突き詰めていかなければと思っております。

曲解音楽史41)16世紀のボヘミアとハンガリー(二つの帝国の狭間で)
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/4116_6a01.html
 当時のボヘミアの純粋な音楽は見つけかねていたのですが、なんとか発見したので、加筆し、音もアップしました!

チェコ音楽の歴史―民族の音の表徴Bookチェコ音楽の歴史―民族の音の表徴


著者:内藤 久子

販売元:音楽之友社
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ノンヴィブラート:「必要性」の違い(ブラームス第4の例)
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_d24e.html
 *本文に述べた通りの理由で、取り急ぎ掲載したものです。

ブラームス:交響曲第4番Musicブラームス:交響曲第4番


販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック

発売日:2007/09/05
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2008年8月27日 (水)

お知らせとお願い

ニフティの措置で、直接アップできる1ファイルの最大容量が1MBに制限されることになりました(私限定ではありません・・・似たようなことをしている人も、あるいは単にファイルの置き場として利用していた人も、ニフティの想定していた以上にたくさんいたようです)。
つきましては、今後は長めの音声について対策を検討中です。しばらくの間、新たに長い音楽をお聴き頂けないのは残念ですが、少しのあいだお待ち下さい。

何卒宜しくお願い申し上げます。

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2008年8月22日 (金)

アーノンクール・チェリビダッケまとめ

本日(2008.08.22)より3日間、所用で、新規記事を綴りません。

自分の見直し、ということもありますので、従来の「音楽史」とモーツァルトの路線をちょっとだけ外して(もちろんまた継続しますが)、このところは、チェリビダッケのベルリン時代の録音について(および当時のベルリンの事情についての若干)、アーノンクール『古楽とは何か』第1章購読と関連しての他者との演奏比較を重点的に綴りましたので、便宜のため、それらの記事についてのリンクのみ、ここへまとめておきます。

※チェリビダッケとベルリン関連
  (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)『第三帝国のオーケストラ』

※アーノンクール購読
 ・『古楽とは何か』第1章
  (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
 ・関連する演奏比較
  (1)(2)(3)

このあと、従来追いかけてきたことのほか、トピックとしては「音楽家と<雇用あるいは労働>」、「気軽な<音楽本>の功と罪」のようなことも見つめたいと思っており、極めて「手抜き」でお恥ずかしいのですが、準備をしております。

ああ・・・ますますマニアック!

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2008年8月17日 (日)

手軽に読めるクラシック新書【音楽家が著者のもの】(+α)

活躍中のクラシック音楽家が著した新書を3点、ご紹介します。

選んだ基準は、
・とにかくプロとして活動している人が単独あるいは共著者になっていること
・その音楽家について、私自身が「未知」であるか、「主観的に嫌っていた」こと
・新書であること(したがって、文庫は含まない)

2番目が、妙ですかね。結果的に、「嫌い」と言い切れる人の書いた本には出会いませんでしたが。



まずは、オーボエ吹きとしては惜しまれつつ引退してしまったものの、人気が高くて、あちこちから「指揮してくれ」と声がかかっている、この人。宮本文昭さん。
疾風怒濤のクラシック案内 (アスキー新書 041) (アスキー新書 41)Book疾風怒濤のクラシック案内 (アスキー新書 041) (アスキー新書 41)


著者:宮本 文昭

販売元:アスキー
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・・・娘の笑里ちゃんのうりこまれかたには好感を持っていなかったので、その面では「嫌い」だったのです(記事2回綴りました。あら探しして下さっても結構です)。それで、上の基準から第1に選んでみました。
読んでみると、「オーケストラにどっぷり浸かった人でないと実感し得ない思い」が、本当は結構強烈なはずなのに、かなりさらりと綴られていて、あんっけらかんとしたお人柄を彷彿とさせる好著でした。紹介されている曲について、仮にこちらが何も知らずとも、理屈抜きに楽しめます。


つづいて、共著者の方が私は個人的には「嫌い」な、だからこそ選んだもの。
音楽を「考える」 (ちくまプリマー新書 58)Book音楽を「考える」 (ちくまプリマー新書 58)


著者:茂木 健一郎,江村 哲二

販売元:筑摩書房
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・・・江村さんは作曲家(2007年6月ご逝去)。実はまだ本格的には読んでいません。ただ、江村さんの「プロ」としての発言が本書の命。共著者の学者さんとは仲良しさんのようですが、その学者さんのほうが感情的な発言が目だつのに対し、それに「冷静に」応じて、話を深めているところが好ましく思われます。


最後に、私はお名前しか存じ上げなかったピアニスト、青柳いずみこさんのもの。
ボクたちクラシックつながり―ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書 622)Bookボクたちクラシックつながり―ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書 622)


著者:青柳 いづみこ

販売元:文藝春秋
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今回ご紹介する3冊の中では、いちばんしっかりした構成観のある本で、「クラシックのプロ」という仕事の実態について、人気漫画「のだめ」・「ピアノの森」と、話題映画「神童」からの例を引きながら、本質に迫る話を、これもさらりとやってのけて下さっていて・・・「青柳さんてどんなかた?」って、ちょっと惚れ込んでしまいました。

ここの本についての「へりくつ」は、新たに開設した方のブログに、随時綴っていきます。
綴り次第リンクを貼りますので、その際は併せて「へりくつ」野郎にお付き合い頂ければ幸いです。



なお、新規に開設したほうのブログでは、いま、アーノンクールの下記著書の第1章を、少し突っ込んで読む試みをしております。
古楽とは何か―言語としての音楽Book古楽とは何か―言語としての音楽


著者:ニコラウス アーノンクール

販売元:音楽之友社
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最初の節へのリンクを貼っておきます。それでご興味を持って頂けたら、順次続きへのリンクを這ってあります(11節までですが、現時点で9節目まで掲載したところです。)
気軽に、というわけにはいきませんが、こちらもおついでの時にお目通し頂き、おけなし下さい。



(付記)
本ブログが障害で一時閉鎖となったことをきっかけに、ブログは新設した方に新たな記事を書き足しておりますが、そのあいだの気分の変化のせいもあるのでしょう、「マニアック」な傾向がいっそう強まってしまっています。・・・で、そちらは、その路線で行こうと思いますが、気軽なものはこちらへ載せていこうと思います。

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2008年8月 3日 (日)

最近の記事

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本ブログが障害で一時閉鎖となったことをきっかけに、ブログは新設した方に新たな記事を書き足しております。

プロはアマチュアを差別する資格があるか?
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_83c9.html

J.S.Bach:BWV7〜9
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/jsbachbwv79_9e3b.html
  ちょっと間があいてしまいましたが、バッハのカンタータのキリスト教会暦的知識の続き

器(うつわ)・中身・シェフ
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_5232.html
  オーケストラが「自己」を確立していれば、指揮者が誰かは二の次です、というお話。

モーツァルト:2つの宗教曲(1777)
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/1777_32e7.html
  K.273とK.277。YouTube映像へのリンクあり。いい曲です!

共に「歌う」ために・・・
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_2fc1.html
  同じ指揮者でも、その音楽観が変わらなくても、「器」側に自覚と自立心がなければ・・・

曲解音楽史40)英仏戦争とその後
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/40_ac52.html
  「ルネサンス」と呼ばれた時代の西ヨーロッパ概観の続き。
  フランスの作曲家ジャヌカンのシャンソンは、是非お聴き頂きたいと思っております。
  次回はハンガリーまで足を伸ばしたいですが・・・

私たちは「多面体」である
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_ab08.html
  人さまの作品を「評価する」のも立派な創造行為です・・・そのことを自覚することも大切です。

ここに「ホンモノ」がある
 http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_7806.html
  ディズニーシーで出会った、素晴らしい音楽!(って、音は入ってません)

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