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2008年6月 8日 (日)

「楽」には、まず「我苦」を:6月8日練習記録

お読み下さる皆様へ:
6月22日、私共のアマチュアオーケストラ、東京ムジークフローの定期演奏会を、品川区大井町の「きゅりあん」にて行ないます。20名様無料ご招待も企画しております。昨日記事をご覧下さい



団員の皆様へ:
次回練習は、最後の練習であるにも関わらず、土曜夜間ですので出席不能です。申し訳ございません。
従って、定期演奏会前の最後の練習記録となります。
練習自体が「通し」でしたので、先生も最少限のことしかおっしゃいませんでした。
次回伺えないこともあり、「通し」という練習方式であったことも鑑み、一般的なことをまとめます。
最後の「通し」を実りあるものにするため、是非ご留意頂きたく存じます。

1)楽器が手に出来ない1週間・・・そうであるならなおさら、楽譜を読み直してみて下さい。
もはや、世の中に出回っている録音、過去に聴いた実演にしがみつく段階ではありません。
「ここはどうして、私たちはこのようにニュアンスづけることにしたのだろうか?」
「その中で、合奏する音楽の上で、私のパートはどんな役割を果たすのだろうか」
を、せめてパート譜を「読み直す」と同時に、出来れば鉛筆を用意して書き込む等して、<思考>して下さい。お仕事で時間がない中でも、電車でご通勤のかたは電車の中でも出来ますし、頭の中で再現する音楽は物理的なものと違って時間の長さは伸縮自在です、入浴する際に持ち込んで1分だけ見つめるだけでも違います。・・・そういう時間を、1日に1度は見つけ出して見て下さい。
私たちが本番で奏でる際のバランスで、私たちの各々はどう表現することに「決めた」のかを、明瞭に見据えて下さい。

2)上記に並行して、
「自分はこの箇所は、指揮を見ること(すなわちオーケストラ全体の音楽を奏でること)よりも、<自分の思い込み>を優先してはいなかっただろうか?」
という疑問を、なるべく数多く見つけてみて下さい。
・・・最初からの正解者は(私を含め)誰一人存在しません。
自らへの「疑問」を投げかけ直してみて下さい。
二週間、というのは、それをするには(協奏曲のソロではないのですから)充分すぎるほどの時間です。

3)本当は、「演奏会をする」と決めた時点で、私たちはそのプログラムとする曲に責任を持ち、曲と格闘をしなければならなかったはずです。・・・そして、それはどのような名人、名楽団でも、本番の直前まで必ず通る道です。お客様のために「楽」を奏でるには、実力に相応した「我苦」を経なければならないのであって、そもそも本番を前に「自らたのしむ」などということは(「あ、この箇所、こういう奏法や表現が適切だったのか!」という発見以外には)あり得ない。
などと、「苦しい話」ばかりでは、これも本筋をハズしているのでして、発見の積み重ねを「たのしむ」ためにこそまず「我苦」があり、その昇華が、コンサートというかたちでの、人様へのお披露目になるのが、理想的な流れです。
今日に至って「我苦」から解放されていない、となると、いままで「私」は、「私たち」は、何をして来たのでしょう?
そこを省みて下さい。

4)信頼出来る「助っ人」をせっかく頼んでおきながら、そのかたをきちんと活かしていない「失礼」(人数の多いパートほど起きやすいことです)は、本番できちんとした「楽」をお客様に提供したいのなら、絶対に避けて下さい。

以上のこと、くれぐれも宜しくお願い申し上げます。

「論語」の言葉を、一つ引いておきます。

子の曰わく、詩に興り、礼に立ち、楽(ガク)に成る。(卷第四、泰伯第八、八)

私たちのような楽隊の場合、この言葉は、
・<詩>は「やるぞ、と選んだ曲」
・<礼>は「では、どうすれば」という日々の問いかけ
を指します。それを突き詰めるためには、本職ではないからといえど、「我苦」を経ることをおろそかに、軽率に考えていては、いつまでたっても<楽に成る>ことはありません。

すなわち、本来はスタートラインからそうあるべきであったことに、最後の最後まで苦しむ。
その度合いが今日に至ってもまだ「高かった」と、心からお感じになって下さるなら、「音楽」の出発点に戻ることはいつからでも可能である「希望」は残ります。

音楽史の中で、西欧「芸術」音楽、とくに純器楽は・・・いずれ音楽史のトピックで触れることもあるはずですが・・・「哲学的思索」の宝庫であり、他世界にはない特殊な存在です。あたかも、太陽系の諸惑星に、地球にしか海が存在せず、生物がおらず、人間がいないのと同様です。

切に、切に、祈りを込めて。

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