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2008年4月30日 (水)

「黒蜥蜴」で美輪明宏さん愛用〜「仮面舞踏会」

今日はすこぶる手短ですが・・・

本日、キンキンさん(だなんて気安く呼んじゃっていますが、近代文学の素晴らしい研究家でいらっしゃいます。後ほど再度正式にご紹介します。)が、東京ムジークフローの定期演奏会の記事に下さったコメントによりますと、

こんど東京ムジークフローが定期演奏会でとりあげる「仮面舞踏会」は、<黒蜥蜴>の演技で絶賛を浴びている、あの美輪明宏さんが、劇中で愛用なさっている作品!

なんですって!

<黒蜥蜴>は江戸川乱歩の小説を三島由紀夫が戯曲化した上に、三輪さんを説得、起用したこと、さらに、三輪さん以外には主役を演じられないとまで評される素晴らしい舞台をロングランで続けていらっしゃることで有名です。

私はチャンスが無くて舞台を拝見できていないのですが、妹に連れられて見に行った娘によると
「・・・凄かった!」
と、絶句状態でした。

その三輪さんの演技を彷彿とさせることができるかどうかはさておいて、<黒蜥蜴>で三輪さんが愛用している曲をやるのだ、というのが、また痛快ではありませんか!

ちなみに、三輪さんは、三島オリジナルの舞台作品<卒塔婆小町>でも「仮面舞踏会」を使っていらっしゃるとのことです。
「仮面舞踏会」の雰囲気もともかく、作曲家ハチャトリャンが、実はあのワルツを「戦時下の苦悶のうちに」書いたのだと知って頂けるなら、なおさらピンときませんか?



で、情報を下さったキンキンさん。
ご本名を、杉山欣也さんとおっしゃいます。
最近出されたご著書に記された経歴でご紹介しますと、金沢大学を経て、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。茨城県立中央看護専門学校、大東文化大、中央学院大、筑波大、日本橋学館大、仏教大学通信教育部で教鞭をとられています。最近は日大からもお声がかかりました。(ここまで詳しく綴っちゃっていいのかなあ・・・まずかったら仰って下さいね!)

最近のご著書に付いては、私は大変気に入り、購入させて頂きました。

で、ブログ中でもご紹介しました。ブログの頁の左側にもリンクを貼っています。

「『三島由紀夫 』の誕生」
(すみません、リンク先は私の綴ったヘタなご紹介文なのですが)

という、専門書なので、気さくに読める類いの本ではないかもしれませんが、だからこそ是非、たくさんの方に読んで頂きたい本です。
(杉山さんは、三島作品をもとにした映画『春の雪』の製作にも・・・大きくはお名前は出て来ないようですが・・・すみません、見よう見ようと思ってまだ見ていないので本当のところまでは分かりません・・・考証などの関係で携わっていらっしゃいます。この映画、大変美しいので評判になりました。それだけは、何故か、見ていない私でも覚えています!)



私の子供時代は、(地方だったからでしょうか)親や学校が「読んではいけない本とその作者」(子供禁書)リストみたいなものを暗黙のうちに持っていまして、たとえば太宰治は
「自殺したからダメ」
「え? だって、芥川龍之介だって自殺したじゃないか」
「太宰は奥さんじゃない女の人を道連れにしたからダメ!」
っていう具合で、私の反抗期は太宰治を読むことで形成されました(そのくせ、内容はちっとも覚えていません)。
三島については、三島事件を境に、リストに加わったように記憶しています。
が、もともと文体が難解なので、図書館にあった三島作品も「金閣寺」と「潮騒」くらいで、私自身はどちらもとうとう手にしませんでした。・・・別に、三島事件のせいではありません。ただ、まわりに
「三島は読むな!」
という雰囲気が、いっとき支配的になったのは、うっすらと覚えています。

杉山さんのご著書は、こうした「三島事件」のヴェールを初めて取り払い、三島文学を、純粋に作品として捉えるため、読者に
<視点をこう変えてみたらいいのですよ!>
と根気づよく訴えかけるべく、きわめて合理的に論の準備がなされ、本文が展開していきます。

別の本で、筆者の名前が売れているので文庫化までされましたけれど、
<所詮は「三島事件」の三島なんて知らない、それどころか三島なんて作家自体知らない、ただその作品をもってこの作家を哀悼する>
みたいな、批評者がこんな無責任な書き方ではいけないんじゃないの、と思えるほどあまりにひどい三島論を展開したものとは大違いです。・・・こっちは絶対お勧め出来ません!(同じ筆写の「桃尻誤訳枕草子』はお勧めしてもいいけれど・・・あれも私にいわせれば、とっかかりとしてはいいけれど、味わうための本では、決してありません。)

著者ご本人にとってもおおげさな比喩になってしまいますけれど、「『三島由紀夫』の誕生」は、ルネサンス期ヨーロッパの画期的な思想家であり、それゆえに「ユマニスト(ヒューマニスト)」としては現代では高い評価を確立していながら、カトリックでは未だに異端視されている、エラスムスの記述を読むようです。

また、杉山さんは、つくばでクラシックコンサートのスタッフもなさっていて、コンサートの運営方法などにも常々問題意識を持って臨んでいる情熱家でもあります。
それでいながら、とても飄々としたお人柄で、これがまた魅力的なのですけれど。
(あ、これも。「こんなこと綴るなよー」って場合は仰って下さいね。綴り手が削る気がある場合のみ削ります!)

ご著書は、専門書故に気軽に手には出来ないかもしれませんが、それでもAmazonの三島由起夫の本のランキングで1週間以上2位を占めたほど、たくさんの人の関心を呼んでもいます。
(発売してすぐに100位以内に入り、長く30位台を保った後のことでした。いまは40位代前半なのがちょっと悔しいけれど、『専門書』でこのランキングは、他の種類の本でもなかなかないことです。快挙と言えるでしょう!)

まだの方、一般書店ではジュンク堂系では手にしやすいようですが、
「手にして試し読み」
するまでもなく、扱っている内容からでもなく、
<人間、筋を通して考えるには此れだけの準備をし、これだけ冷静に観察し、然る後に考察するのだ>
という見事な方法論の規範として、非常に存在価値の高い本です。

ブログのプロフィールを通じメールを頂ければ、定価より少しお安めにご提供できる(かな?)と思いますので、私へも是非お問い合わせのメールを下さいね!
(あくまで私の独断での宣伝で、ご著者のご了解を得ていませんが・・・)

こんなコマーシャルしちゃいました。許して頂けます?

追伸)ご著者がお許し下さったので、送料込みきっかり4,000円でお手元にお届けできます!
   蛇足ながら、商売っけはありませんからね!
   (商売っけからでしたら、アフィリをクリックして頂く方をお勧めしちゃいますから。)
   いい本を、是非読んで頂きたい一心です!
   21世紀の「思想史」に残ってもいいだけの価値がある本です!
   (あ、また余計なことを、って、ご著者に叱られるかも。)

Book「三島由紀夫」の誕生


著者:杉山 欣也

販売元:翰林書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

春の雪DVD春の雪


販売元:東宝

発売日:2006/04/28
Amazon.co.jpで詳細を確認する




手短・・・じゃなくなっちゃった。。。

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コメント

ブログでお書きになることはもちろん構わないのですが、いやはや、恥ずかしい…。

私自身から拙著を購入してくれる方の中に、署名を求められる方がいらっしゃいます。愛用の万年筆で書くようにしているのですが、手が震えますね。で、「ごめんなさいごめんなさい」といいながら悪筆を綴っております。添える言葉は「花ざかりの森」の一節

「花咲くことはいのちの誕生だ」

です。kenさんのご紹介で購入される方がいらっしゃいましたら、2割引+送料で4000円にてお分けいたします。

投稿: 杉山欣也 | 2008年5月 1日 (木) 09時56分

>「花咲くことはいのちの誕生だ」

成熟した格言でもあり、書いた当時の彼のういういしさもよくあらわれた、すてきな言葉ですね。
これは、日常の場では口にするには照れくさすぎるくらい美しいです。

投稿: ken | 2008年5月 1日 (木) 22時29分

> 日常の場では口にするには照れくさすぎるくらい美しいです。
先日、購入者の目の前で書くはめになったのですが、これが恥ずかしい!
しかも購入者がこれみて笑ってるのみてなお恥ずかしい!!

投稿: キンキン@ダイコク堂 | 2008年5月 8日 (木) 23時05分

キンキンさん
著者としてこれに勝る幸いなし、ですよ!
買って下さる方の笑顔が目に浮かぶようです。

いい風景だなあ・・・
(と、無責任に言ってられるなんて、ワシもワルじゃのう。)

投稿: ken | 2008年5月 8日 (木) 23時56分

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