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2008年4月28日 (月)

楽譜の読み方2(音の長さ)

<楽譜の読み方1>と称して、いま一般的に出回っている五線譜の読み方の、おおもとの決まりについて記しました。世間に出回っている本にくらべると、かなりかいつまんだ説明になっていますので、とっかかりにくいと思いますが、図にしたことを「暗記」して頂いてしまえば、後は面倒な説明を読む必要はないはずです。

でも、こんな会話が起こりそうですね。
「まだこんだけじゃあ、読めないよ」
「どうして」
「だってさあ、前の説明で音の高さは分かったとして、長さが分からない。結局、はじめて楽譜で見たメロディはどう言うものだか、わかんねーヨ」
・・・そう言われてみりゃ、そうですね。



ですので、音の長さを楽譜からどう読み取るか、の補足をしておきます。


ヘタクソで恐縮ですが、説明用に、図の楽譜のようなメロディを作りました。
(右クリックで別ウィンドウで聴けます。)
です。

で、説明図。(クリックすると拡大します)
Gakuhusetsunei2

いちばん上のA'としたのが、元々の楽譜です。
最初の4小節は、音がどのような目印で長さを示すのかを分かりやすくしてみました。
最初にある4/4は分数みたいですが、これは<拍子記号>といいます。ここでは
「白丸だけの音符ひとつを4つ分として、その4つ分で1小節(線で区切られた箱1つ)を書いてありますよ」
ということを示しています。算数で習う分数とは意味が似て非なるものです・・・が、完全に違うともいえません。このことについてあんまり喋ると泥沼にハマるので、これはこれくらいにしておきます。

で、楽譜の下の丸数字2に記しました通り、
・白丸音符に縦棒がつくと、もともと4つ分の長さだった白丸の長さが半分になります。
・縦棒のついた白丸の中身を黒く塗りつぶすと、さらに半分になります。
・縦棒に旗をつけると、またまたさらに半分になります。
・・・以下、旗の数が2つになればさらに半分、3つになればまたその半分、という具合になっていきます。

さらに、どの種類の音符でも、其の右隣に「ホクロ」がついていたら、長さが1.5倍になります。2つ以上ついたらどうなるか、・・・それこそ「泣きボクロ」が出来るくらい私は悩んでしまいますから、長さの説明はここまでにしておかせて下さい。

この楽譜、前回の図3・4と比べて頂くと、「ハ長調」もしくは「イ短調」であることが分かります。
ですが、先に音を聴いてお分かりになって頂けたかと思いますが、これは「ハ長調」です。
じゃあ、音が聴けないで楽譜だけ見た時には、
「ハ長調なのか、イ短調なのか、それが問題だ」
ということになります。
これは、丸数字の1に戻りますが、(少なくとも19世紀までの音楽では9割9分)「ハ長調」ならばおしまいの音が「音名(覚えて頂いていますか?)」で「C(は)」になっていて、かつメロディの最初のト音記号の隣には「#」とか「b」が一切ついていません。
したがって、今回のメロディはどうかを観察しますと、
・最初のト音記号の右隣には「#」も「b」もついてないな!
・お、メロディは「C(は)」で終わっているな!
ということで、「ハ長調」と判定できるわけです。

普通、「楽典」なる音楽の教科書には、この「音階の最初の音」の呼び名を<主音>としているので、この<主音>という呼び方も覚えておいても構わない・・・世渡りのためには覚えておいた方がいい・・・のですけれど、それは、調(旋法)が長調と短調に絞られてしまって後の呼び方で、ヨーロッパ音楽の長い歴史の中では、
「曲の終わりを示す音」
という意味で<終止音>と呼びます。



以下、おまけの面倒な話です。これもまた、前回同様読み飛ばして頂いて結構です。

中世ヨーロッパの聖歌理論では、<終止音(フィナリスあるいはフィナーリス)>の他に、唱い出しの音として<発唱部>というセクション(曲頭部)、あるいは歌の中で芯となる役割を果たす音としての<吟唱音>というものが、旋法によって決まっていました。決まっていた、というよりは、たくさんの歌が、そのような構造をもつものとして結晶化されたのですね。<吟唱音>はイタリア語でcorda di recitaと呼ばれましたが、同時にまた<ドミナント>dominante salmodicaとも呼ばれました。
和声の初歩をやると、
・トニカ=ドミソ
・ドミナント=ソシレ
・サブドミナント=ファラド
というのが出てくるのですが、この近代和声学でいうドミナントと、中世の理論上のドミナントとは意味が違ってきます。
楽譜の読み方を覚えたいとなると、どうしても「和音」のことまで欲張って知りたくなるのですが、これは16世紀から19世紀前半までと、過渡期である19世紀後半から20世紀初頭、また現在進行形である現代和声の、まだ決着を見ていない和声学の考え方それぞれで違いがあり、上記の初歩的な和声を覚えておくことは、逆に音楽を考えるアタマを「固く」してしまう恐れもあります。
「いまピアノが弾けないんだけど、手っ取り早く伴奏だけはしてやらなくちゃいけないんだ!」
という差し迫った事情がない限り、当面、和声のことについては触れないのが賢明でしょう。
・・・まあ、そんな事情で差し迫ることは、まずないかもしれませんが、幼稚園や小学校の先生では、全く考えられないことではありません。そうした場合には、

・中田喜直 著『新版 実用和声学』音楽之友社

をお勧め致します。

難しかったですか?
今回の話題までは、学校の勉強の暗記ものと同じです。

あ、譜例に『転調』を取り入れていたのですが、それについては長くなりすぎるといけないので、今回は説明を省きます。
図からある程度イメージできると思いますが・・・イメージ出来なくても、いまは構いません。

無責任だなあ・・・

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・つづきはこちら。(わけわかんなくなるかもしれません!)
・前回分はこちら

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コメント

音符を書くとき、黒玉につける縦棒の長さは決まっているのでしょうか

投稿: あおちゃん | 2013年6月 6日 (木) 10時06分

あおちゃん さま

お読みいただきありがとうございます~

縦棒の長さは決まってませんよ~
手書きだと、長い人もいれば短い人もいます。
印刷譜やソフトウェアでは決まりごともあるのでしょうが、調べていません。
時間が割けるときにでもあたってみます!

投稿: ken | 2013年6月 6日 (木) 10時10分

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