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2008年4月 2日 (水)

モーツァルト:1777年作品概観

ここまで読んできたモーツァルト作品の個々へのリンクを作成し直しました。ご利用下さい。



いよいよ、モーツァルトの「自立」に向けて、最初に動きがあった年までたどりつきました。
ただし、以下のように多彩な曲種を創作していますが、それは9月23日に彼が母と共に旅に出るよりも以前に、ザルツブルクで仕上げられたものがほとんどです。
ですから、作品そのものは前年までの延長で観察すべきものが圧倒的に多い状態が続きます。


さて、「自立」とは、しかしどんな状態を指し、どんなことでその状態に達したと証明されるのでしょうか?
いずれ「子供を自立させなければならない」親としては、私には気になるところです。この年の段階では、モーツァルトはまだ母と行動を共にしていますし、同行できなかった父とは書簡でのやり取りを欠かしていません。自分ひとりの手で自分の「職」を獲得する、という意志までは見えません。それが見え出すのは、翌年、アロイジア・ヴェーバーに首っ丈になってからのことです。
・・・自立を促進するのは、はなれた土地でしてしまう、異性への「恋」、すなわち、「足枷のない状況下で、肉親や地縁にとらわれないで<愛する(と錯覚する)>異性に巡り会い、心を占有されてしまうこと」、なのでしょうか?
私自身が、故郷をはなれてから起こした「錯覚」(それはことごとく、恥ずべき、惨めな結果に終わりましたが)によって、初めて心が肉親や地縁から離れる、という経験をしました。
そのことからの類推に過ぎませんから、あんまりあてになるものではありませんが。


モーツァルト母子の旅程は、出発の翌日、9月24日に、ミュンヘン着。ここで就職運動に失敗し、10月11日に父の故郷であるアウグスブルクに着(ここで、従妹のベーズレ【アンナ・マリア・テークラ】と意気投合します)。同月30日にマンハイムに着きます。

旅に出てからの作品は、下のリストでは2つの歌曲と1つのクラヴィア用カプリッチョに限って現存していることになります。
ただし・・・歌曲が10月30日に完成されていたかどうか、となると、怪しいかもしれませんね。マンハイムに着いた当日には出来ていた、とは思えないのですけれど、それはあらためて検証してみましょう。



<宗教曲>
Missa brevis in B K.275(9.23以降、ザルツブルク)
グラドゥアーレ「サンクタ・マリア・マーテル・デイ」K.273(9.9 ザルツブルク)
「Alma Dei creatoris」 K.277

教会ソナタト長調K.274、ハ長調K.278(3.4)、K.328(7.9)・・・以上、ザルツブルク

<劇音楽>
「エジプトの王タモス」幕間音楽(79年説あり。初稿1773年)

<声楽曲>
ソプラノ用レシタティーヴォとアリア・カヴァティーナK.272(8月、ザルツブルク)
歌曲「鳥たちよ、毎年」K.307(10.30 or 78.3.13、マンハイム)
歌曲「寂しく暗い森で」K.308(同上)

<室内楽>
弦楽器と管楽器のためのディヴェルティメントK.287(第2ロドロンセレナーデ)6月?
管楽ディヴェルティメントK.270(1月、ザルツブルク)、疑作K.289
コントルダンス疑作K.269b・・・12曲中4曲のみ現存
フルート四重奏曲ニ長調K.285、ト長調K.285a(78.1〜2月説、疑作説あり。真性資料なし)
弦楽三重奏のためのアダージョとメヌエット変ロ長調K.266(春、ザルツブルク)

<協奏曲>
クラヴィア協奏曲第9番「ジェナミ(ジュノム)」K.271(1月、ザルツブルク)
ヴァイオリン協奏曲第7番K2.271a(疑作、7.16?)
オーボエ協奏曲K.271(散佚、またはK.314と同一か?)、ハ長調K.314(春、ザルツブルク)

<器楽曲>
クラヴィアのためのカプリッチョ(3つのプレリュード)ハ長調K.395(10.10頃、ミュンヘン)

<編曲>C.カンナビヒのバレエ音楽編曲(散佚、12.6付書簡で言及、マンハイム)



なお、1772年分から始めた、毎年の作品の概観には、そのあとで「読んだ」レポートへのリンクを這っていませんでした。
これは片手落ちなので、リンクを貼り始めました。1775年76年分はとりあえず作業を終えましたので・・・自己満足ですが・・・お使いになれるようでしたらご利用下さい。

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