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2008年1月21日 (月)

音楽と話す:そもそもどうやって、あなたと出会えたのでしょうね?

音楽と話す:(これまで話してみたこと)
いりぐちのおはなし
なぜ、あなたは私の心を動かすのですか?
どうやったら、あなたに近寄れますか?
あなたは何を伝えてくれるのですか



私 :「そういえば・・・」

私は、はたと気がつきました。

私 :「あんまり夢中で話し始めちゃったからですけど」
音楽:「なんですかいな」
私 :「そもそも、私とあなたは、どうして今、こうやって出会っているんでしょうね」
音楽:「そりゃ、あんた、」

音楽さんは言いました。

音楽:「たまたま、会っちゃったからじゃろうが」
私 :「たまたま、ですか・・・?」
音楽:「そう。」
私 :「いや、そうは思えないんですが」
音楽:「じゃあ、あっし達ゃ、運命で出会った、ってでも仰りてえんですかい?」
私 :「まあ、そんなような・・・」
音楽:「じゃあ、お訪ねしますがの」

音楽さん、にやり、としています。

音楽:「運命、って、そもそも、何なんですかな?」
私 :「・・・何なんでしょうねえ。」

あらためて考えると、分かりません。私は黙りこくるしかありません。

音楽:「まあ、そんなに、切羽詰りなさんな」

あいかわらず、音楽さんはノンキです。

音楽:「あんたが初めて、あっしのことを<いいなあ>って思ってくれたのは、どんなとき?」
私 :「あんまり詳しく喋ると、お恥ずかしいので・・・」
音楽:「まあ、こみいったことまでは、話さんでよろしい」
私 :「はい・・・まあ、いろいろありまして、こないだお話した例で言うと、<ガックリ>の溜息をついちゃったとき」
音楽:「無理して溜息ん時の話にせんでもいいんじゃよ」
私 :「いや、分かりやすいですから。」
音楽:「そんじゃ、勝手になされ」
私 :「<ハ>から<ア>へ、下がるような溜息だったんですけどね」
音楽:「左様か。」
私 :「そんな、そっけなくじゃ無くって、ちゃんと聞いて下さいよ」
音楽:「聞いとりますがな」
私 :「で、ガックリ、のどん底にいたときに」
音楽:「どんなときでも、別によろしい」
私 :「よろしくないんです!・・・<どん底>ですよ、どん底!」
音楽:「へい、へい」
私 :「そのとき、ふと、遠くから耳に入ったんです」
音楽:「何が?」
私 :「歌声です。済んだ歌声が・・・ちょうど、私の溜息と同じトーンで」
音楽:「ふうん。」
私 :「あ、あの歌も溜息をついている・・・最初はそう思いました。」
音楽:「それはそれは、ようござんした」
私 :「いえ、ここからですよ、肝心なのは」
音楽:「そりゃまた・・・」
私 :「歌は、確かに初めは、私と同じ溜息をつくようでした。でも、すぐに変わったんです」
音楽:「どんなふうに?」
私 :「溜息が、まずはどんどん切なくなっていく。つられて、私もどんどん切なくなっていきました」
音楽:「涙が出ますなあ・・・」
私 :「そうなんです・・・って、いや、それで終わりじゃないんで!」
音楽:「って言いますのは?」
私 :「一番切なくなったそのときに、歌は、なにか遠くへの憧れを抱くかのように、高く舞い上がった」
音楽:「なんつうか、キザな仰りようで」
私 :「キザでもなんでもいいんです! とにかく、その瞬間、私の心も高く舞い上がった」
音楽:「よろしゅうござんしたな」
私 :「舞い上がったまんま、歌と私は、また最初の溜息へと戻っていったのですけれど」
音楽:「そんじゃあ、元の木阿弥、ってやつじゃあねえですか」
私 :「それが、違うんで。」

音楽さんは、ニヤリ、としたようでしたが、私は気にせず続けます。

私 :「溜息は、もう、最初の<どん底>じゃあ、ありませんでした。それは、私の、希望への祈りに変わっていた・・・」
音楽:「ほう、今、あんたは、遠い目をしている。希望を見つめるような。いい目じゃよ。」
私 :「そう思って下さいます?」
音楽:「ああ」
私 :「分かって貰えました?」
音楽:「ひとつの、たとえ話としては、だがの」
私 :「たとえ話?」
音楽:「そう」
私 :「何故? 私は真剣に、そう受け止めたんですよ」
音楽:「そして、あっしと初めて、本当に出会った。あんたなりの、あんただけのチャンスにな」
私 :「偶然に」
音楽:「その偶然が、<運命>ってやつでしたのかい」
私 :「違うんですか?」
音楽:「違わないかも知れねえな。でも、たまたま、なんじゃろ?」
私 :「はあ・・・」
音楽:「その歌が、あんたの耳に入ったのは、たまたま、じゃろうが」
私 :「まあ、そうです。」
音楽:「そういう<たまたま>を、<運の尽き>っちゅうんじゃい」
私 :「またまた!」
音楽:「出会い方は、いろいろある。でも、出会う、というそのことは、特別なことがなけりゃ、みんな、たまたま、じゃ」
私 :「そんなもんでしょうかね」
音楽:「ビジネス、じゃなければな。まあ、話をそらすのは、やめとこ」
私 :「そうして下さい」
音楽:「<たまたま>の出会いが、あんたの心を捉えた。そこが大切じゃ」
私 :「と仰いますと?」
音楽:「それは、そんとき、あっしが、あんたの心を捉えたくって歌ったんじゃあないかもしれない」
私 :「あれは、あなただったんですか!」
音楽:「歌だって音楽じゃろうが」
私 :「そりゃそうだ」
音楽:「あっしが、あっしの<思い>を歌い上げたことに、あんたは<たまたま>心を揺さぶられた」
私 :「そういうことですね」
音楽:「それが、あっしとあんたの、出会いじゃ。違うかの?」
私 :「・・・」
音楽:「あっしの心とあんたの心が触れ合った。それが、出会いじゃ。違うかの?」
私 :「触れ合った・・・」
音楽:「じゃから、今、こうして話す機会も出来たっちゅうわけかもしらん」
私 :「ありがたいことで」
音楽:「じゃが、この先も一緒に話せるかどうかは・・・」
私 :「私次第、というわけですか。」
音楽:「いいや、違うな。」
私 :「どう違うんです?」
音楽:「あんたからの一方通行だけじゃいかん、てことでさあ」
私 :「というのは?」
音楽:「あっしの方からも、あんたに歌いかけ続けにゃならんのですわ」
私 :「あなたの方からも?」
音楽:「そうですじゃ。でも、その続け方が、あっしにゃ難しいんで。」
私 :「難しい?」
音楽:「無理やり歌いつづけたって、どうしょうもねえんで」
私 :「はあ」
音楽:「あんたに<片思い>じゃあ、あっしも失格なんですわい」
私 :「そんなもんなんですか」
音楽:「そんなもんじゃよ。」

ここで、音楽さんは黙りこくってしまいました。続きの話は、様子を見て聞き出すしかなさそうです。

というわけで・・・

この「私」が「心を揺さぶられる」出会いをした歌を聴きながら、次に音楽さんが語り始めるのを待ちましょう。


 アメリンク(Sop.)/デムス(Pf.) EMI T4988 006 60885 6

・・・この歌が、すべての「私」の心を揺さぶる保証はありませんので、そのときは、たとえばZARDがお好きだったらZARDに、という具合に、お手元でご自身にふさわしい材料にとっかえてみて下さい(私は残念ながら中心メンバーかつ「ZARD」そのものだった坂井泉水その人の死後に、彼女の歌のすばらしさを知りました)。



今日の会話のまとめ。

音楽:「あっしとあんたが出会えたのは、たまたま、なんじゃ」
私 :「そんなもんですかねー」
音楽:「じゃが、その<たまたま>で、あんたとあっしの心が触れ合ったことが、大切なんじゃ」
私 :「なるほど」
音楽:「じゃから、<出会い>を大切にし、これからもお互い接していけるには・・・」

と、この先は黙りこくってしまって、まだ彼は話してくれていないんですが、私と音楽さんが「両想い」でいられるための、なんらかの工夫(?)か何かが、どうやら要りそうな気配です。
・・・じつは、話の中身自体は、「どうやったら、あなたに近寄れますか?」に戻っているのですけれどね・・・音楽さん、忘れてるし、ちょっと、突っ込みやすくなってきたかな?

イエイエ、油断禁物デス。

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