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2008年1月 6日 (日)

「のだめ」でモーツァルト「ミサ」検索の方へ

昨日の東京ムジークフロー演奏会へおいで下さった方への御礼はこちらに綴らせて頂きました。
あらためて、本当にありがとうございました。



標題で検索なさって下さった方がいらしたので、せっかくですから、このすばらしい曲のことを少しだけ申し上げておきたく存じます。ただし、正規には・・・たぶんずっと後日になりますが・・・あらためてじっくり触れたいと思っております。

について、
「のだめ」5日放映分のセリフの中に「ミサ曲」とありましたが、「モテット」の誤りですのでご注意下さい。
ミサ曲で探してもCDは見つかりませんので。

音は一度アップしていますが、 へ再掲します。
・・・最も美しい部分がカットされていたのが残念でした。。。

なお、4日の指揮コンクール、5日の千秋ヨーロッパデヴューの場面で使われていたホールは、お分かりの方も多かったかと存じますが、チェコの有名な「スメタナホール」です。
DVDでは、クーベリックが帰郷した際の「我が祖国」の映像、同じく「新世界」の映像はじめ、チェコ民主化を記念したノイマン指揮の「第九」演奏会のもの、面白いところでは「ホフナング音楽祭」のものなど、お目にかかれるものが豊富に出ています。

ついでですので、アヴェ・ヴェルム・コルプスの歌詞をご紹介しておきますが・・・キリスト教独特の「聖体拝領」の考え方を理解しておかないと、意味が分からない部分が多々あるかと存じます。

Ave verum corpus, natum de Maria Virgine:
Vere passum, immolatum in cruce pro homine:
Cujus latus perforatum, unda fluxit et sanguine:
Esto nobis praegustatum in mortis examine.

めでたかるは、処女マリアより生まれ給いし(真実の)みからだ
ひとびとの苦しみを受け十字架に架かりて
脇腹は刺し貫かれて血と水とを流されぬ
願わくば我らのため死の試練に先立ちて
天国の幸を味合わせたまえ
(下手な訳詩ですが、そのまま歌に付けられるようにし、意味は損なわないようにしてみました。)

原詩に若干、注釈をしますと、
verum, vere = 真実の
corpus = 肉体
等、英単語から意味が類推できる、比較的平易な語彙が多く、意味を知るためには英和辞典でもことたります。
passusは「受難」ですからね。
(immolatumは分かりにくい語ですか。犠牲となる意味です。)
praeはpreと記される場合も多くありますが、これも英語の語彙ではしばしば語幹になっていますね。
cujusの教科書的な綴りはqujusもしくはquius(関係代名詞)
(ラテン語そのものではCの字はKの音です。それが証拠に、Kの字もQの字も、古いラテン語にはありませんで、後年それらの字があてられた語彙は、古くはCで書き始められています。なお、Jもあとで加わった字でしたね。)

・・・なお、歌唱の場合の発音は、参考資料の書籍をご覧になればお分かりになるように、演奏者や地域によって違います。
地域を問わないのは次のような類いのものですかね。
教科書通りに読めば、本来はcruceは「クルーケ」ですが、歌の場合は「クルーチェ」で歌われないと、聴いていても落ち着かないですね。また、veはウェ、が教科書場の発音ですが、これも歌では「ヴェ」になるのが慣例ですね。
あとは、いわゆる「ローマ字読み」で読んでおけば、まあ、大丈夫です。

以上、余談。

モーツァルトがこの作品の創作にあたって最も成功したのは冒頭の"Ave"を2回繰り返したところにあり、このことにより、以降、古典派的な構成を崩さないままで、言葉一語一語の意味に極めて密着した旋律付け、和声付けを行なうことが出来たのです。
参考として、フォーレの「アヴェ・ヴェルム」などもお聴きになってみて頂くと、この辺の事情が良くお分かり頂けると思います(フォーレの作品では、たとえばnatumが若干不自然な位置に来てしまっています)。
シューベルトにも「アヴェ・ヴェルム」があるそうですが、残念ながら私は未聴です。

参考:「ミサ曲・ラテン語・教会音楽 ハンドブック」ショパン社

ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック―ミサとは・歴史・発音・名曲選Bookミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック―ミサとは・歴史・発音・名曲選


著者:三ケ尻 正

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コメント

いや~2008年もしょっぱなから勉強になります。今年も宜しくです。

投稿: ランスロット | 2008年1月 6日 (日) 17時05分

ランスロットさん

今年も宜しくお願い致します。

"Ave verum corpus"は、歌詞の意味を知りたくて、高校時代に本屋に通ってラテン語の辞典をちょっとずつ覗き見してはメモしておいて調べた、なつかしいことばなので、つい駄文を弄してしまいました。大学に進んでからラテン語を少し習いましたけれど、そのときは文法にとらわれてちっとも分かりませんでした。
いま、こうやって見直すと、やっぱり、「人間の話した、人間らしい言葉だなあ」と思います、ハイ。

投稿: ken | 2008年1月 6日 (日) 18時23分

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