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2007年12月13日 (木)

「愚か者」であってはならない

体調もすぐれず、前々日から「顔色が悪い」と職場で気づかっても頂いておりましたので、今日は仕事を休みました。

寝ていようと思いましたが、いろいろな愛憎・苦楽が頭の中を横切って行き、「愚かしい」と思いつつも、仕方が無いのでそれに身を任せ、過去に自分がブログに綴ったことを読み返し、付けた音楽に聴き入り、今年の前半までに娘の進路を思って方便に綴ったつもりだったとおぼしき「おべっか」記事をいくつか削除し、最近選んだ音楽のいくつかに自分なりにもう一度耳を傾け、恥ずかしながら涙も流し、それからようやく、なんとか眠ることが出来ました。

昼をだいぶ過ぎてから目が覚め、遅い昼食に立ち食いそば屋へ行き、それからコーヒーショップで、昨日から<よりどころ>と思いつつ読み続けていた本の続きを夢中で読み、さっき帰宅しました。子供たちが先に帰って来ていて、楽しそうに過ごしているので、安堵しているところです。

標題は、<よりどころ>と思って読んでいた本の、あとで引用する言葉が出てくる箇所の章の副題の一部です。

その他に、まだ独身の頃、悲しい時にはいつも繰り返して読んでいた「ヨブ記」にも目を通しました。
これは、その中でも、特段、核心となる部分の言葉ではありません。

 なぜ、私は胎内で死ななかったのか 
 腹を出てすぐ息絶えなかったのか
 なぜ、二つのひざがあって私を受け
 なぜ、二つの乳房があって私に乳を飲ませたのか
 それがなかったらいま私は
 静かに横たわり
 安らかに眠っていただろう(第3章11-13)

 もし私の激しい思いをはかり、
 同時に他のはかりのもう一つの皿に私の不幸を置くなら
 それは海の砂よりも重い
 だから、私はうわごとを言ったのだ(第6章2-3)

 私自身は正しいと思っても
 私の口は自分の罪を告げ
 申し分のない者だと思っても
 口は自分が悪いと述べる
 私は罪なき者か。もう自分では分からない(第9章20-21)

 私に慰めを与えてくれ
 私が一言いうのをゆるしてくれ
 話して後ならからかってもよい
 私が嘆くのは人に向かってだろうか
 いら立つには理由がないと思うのか
 あなたたちは私の方を向くとぎょっとして
 口に手を当てる
 私自身もそれを思うと恐れ
 この体はおののく(第20章2-6)

こうしたヨブに、神は(読みようによるでしょうが)実に謙虚に、こう口を切るのです。いつ読んでも、私はこの部分には驚愕を覚えざるを得ません。

 そのとき、主は、嵐の中からヨブに話しかけられた。
 「思慮のないことばで
  私のはかりごとをかきまぜるのはだれか。
  おまえは、勇士のように帯せよ
  私が尋ねるから、教えてくれ」(第38章1-3)

一見強いことばに見えますが、神が神自身に、「ヨブの答えによってははかりごとを見直さなければならぬ」、と、強烈に自問をしてさえいるのです。

さて、これに対するまっすぐな答えではありませんが、原始仏典のシャカのことばの中に、次のようなものがあります。この言葉を「倫理=道徳」からではなく、「論理」の側面から把握に努めている本があって、引用文にはその書物で出会いました。で、今日の標題はその本がこの言葉を扱った章の副題から抜き取ったものです。

 心があらゆる方角にさまよいいくとも、
 自己より愛しい者にたどり着くことは決してない。
 同じように他の人々にとっても自己は非常に愛しい。
 それだから自己を愛しく求める者は他を害してはならない。

聖書の引用は講談社版を用いました。

シャカのことばは、「ブッダ論理学 五つの難問」石飛道子著 講談社選書メチエ335 130頁にあります。

以上について、私なりにどう受け止めたかを記すべきでしょうが、それに代えて、音楽を一つ、お聴き頂くに留めようと存じます。


演奏:ヘルムート・ヴァルヒャ Deutshe Grammnophone UCCG-5036

ついでながら、今日12月13日はキリスト教会暦では「聖女ルシアの日」です。ルシアは目に障害のある人を守護する聖人です。伝説にもよるのですが、何よりも、彼女の名がラテン語で「光」を表すLuxに由来するから、でしょう。


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