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2007年12月17日 (月)

アンサンブル・ゼフィロのCD

モーツァルトのミサ曲は「クレド・ミサ」を残しておりますが、あと少しお時間下さい。



Bunchouさんから興味深いCDをご紹介頂き、それそのものも、ですが、もう一つをもさっそく聴いてみて、たいへん興味深く感じましたので、簡単にご報告します。

ご紹介頂いたものそのものはモーツァルトの作品で、こちらの記事にBunchouさんがお寄せ下さったコメントをご覧下さい。いわゆる「古楽」がお好きでしたら、文句無しに楽しめます。
・・・ただ、私は、弦楽器の「古楽」奏法には・・・主にタルティーニが残している練習曲の書き方などから類推して・・・モーツァルト時代もバロックと同じでいいのかどうか、バロックの奏法も、たとえば早い時期にはアルス・アンティクァ・ケルンが採用していた弾き方でいいのか、ということには少々疑問を持っています。
とはいえ、そんなことにとらわれる必要なく(というより、あんまり深く考えないで聴くべきでして、そうして頂ければ)存分に楽しめるのは、保証します。

886971261127同じ団体「アンサンブル・ゼフィロ」が、ベートーヴェン作品もアルバム化していて、こちらは管楽器(曲によっては打楽器を含む)アンサンブルでもあり、なかなか聴けない曲ばかりですので、こちらにもつい手が出ました。

収録曲:(日本語統一表記でなくてごめんなさい)
・Parthita for 2 Oboes, 2 Clarinets, 2 Horns, 2 Bassoons in Es Op.103(1792-93)
・「ドン・ジョヴァンニ」の主題による変奏曲 for 2 Oboes & Col Anglais WoO28 in C (1796-97)
・軍楽のための行進曲 WoO20 (1806?) 古い作品表では「1810?」となっている
・オーボエ、3本のホルンとファゴットのための五重奏曲 変ホ長調(1796)
・三重奏曲 for 2 Oboes & Col Anglais Op.87(1794)
・エコセーズとトリオ in D WoO22(1810)
・ポロネーズ 二長調 WoO21 (1810)
・ロンド(ロンディーノ)変ホ長調 WoO25 (1792)

WoOと付いたものは作品番号無しのもの、すなわち、未出版であったか、非公式(廉価な曲集など向け)出版だったものです。ひとつだけ、最近用いられるようになったHess番号のものも含まれます。

作曲された目的に付いては、もしご興味があればCDをお求めになり、解説をご覧下さい(英語とドイツ語)。

興味深いのは、集められた作品の作曲時期です。
3グループに分けられますね。
・1792-94
・1796-97
・1810

最初の1792-94年グループは、ベートーヴェンがボンからウィ−ンに出た時期に当たります。この時期を前にして、ベートーヴェンはボン大学の学生達に混じり、啓蒙思想に熱を上げたことが分かっています。この時期の作品は、自由なウィットに満ちていますが、品格が備わるには至っていません。

96-97年グループの時期は・・・そんなに隔たってはいませんが、ベートーヴェンが貴族の保護を獲得した時期、かつ、ナポレオンが台頭し始めた時期に当たります。この時期を代表するのは「ドン・ジョヴァンニ」の主題による変奏曲、でしょうが、貴族趣味への迎合を聞き取ってしまうのは私の耳の錯覚でしょうか?

1810年・・・前年の09年に、ウィーンはナポレオン率いるフランス軍に占領されています。ベートーヴェンの作風には、行進曲のみならず、明らかに、軍楽的要素を濃くもっています。

こうした、ベートーヴェンを巡る時代背景、ベートーヴェン自身がそこから受けたであろう精神的影響を、比べながら聞き取ることの出来るアルバムは、知る限り、過去に存在しませんでした。

モーツァルトのほうも、ですが、このベートーヴェンのアルバムも、是非おすすめしたいと感じた次第です。
ベートーヴェンについては最近「第九」の本がまた流行で大量に出始めていますが、資料として読む場合には、ロングセラーであるフリーダ・ナイト「ベートーヴェンと変革の時代」よりも信頼できるものはないと見ています。他の著作は資料の選択が「まず主題を満たす目的ありき」でなされている点、むしろベートーヴェンを(極端にいえばナチ時代にドイツでなされていたのと同じような)色眼鏡で見てしまう危険性をはらんでいる気がします。
・・・読んでお気にいられてしまうのでしたら、これ以上は何も申し上げられませんが。。。

ベートーヴェンと変革の時代 (教養選書 32)

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