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2007年11月14日 (水)

「オルフェオ」〜北とぴあにて

日本の代表的なバロックヴァイオリン奏者、寺門亮さんが指揮(リトルネロではヴァイオリンも弾く)で、モンテヴェルディ「オルフェオ」が上演されます。

明日11月15日と、そのあとの土曜日、11月17日。
場所は東京都北区「北とぴあ」さくらホール(JRまたは地下鉄の王子駅から歩5分)。

演奏者の方の関係で、今日、公開ゲネプロを聴かせて頂くことが出来ました。
「能」を取り入れた演出が、とても自然に作品にマッチして、美しい舞台でした。
独唱もする人を含めた17人の合唱もまた、大変に良質でした(アルトパートは、なんと、男性、すなわちカウンターテナーの方が2人で歌っています!)。

オーケストラが古楽器(レプリカのようですが)だというのも目玉で、ツィンク(冒頭のトッカータで活躍)やレガール(冥界のシーンに素晴らしい効果を発揮)、キタローネトリプルハープを目に出来るのも嬉しい!
しかも、大変上質の演奏です。

独唱陣は主役(オルフェオ)のジュリアン・ポッシャーさんを除いて全員日本人ですが、これまた、頭が下がるほど上手い方ばかりです。
とくに、「ミューズ/プロセルピーナ」二役の野々下由香里さんの声の美しさには、すっかり惚れ込んでしまいました。

詳しくはこちら。

http://www.kitabunka.or.jp/php-bin/event/event.php?code=20070719001&yy=2007&mm=11


モンテヴェルディの「オルフェオ」は、現在一般的に聴くことの出来るオペラ作品の中では最古のもの(たしか1607年初演でしたね、出版は1609年)で、後年のようにレシタティーヴォとアリアが明確に分離しておらず、そのことが却って作品を魅力的にしています。 「オルフェオとエウリヂーチェ(エウリディケー)」の物語は、ギリシャ神話の本ならたいてい載っていると思いますので、ご存じなかったらこの機会に是非、本屋さんで立ち読みなさってみて下さい。 ・・・私には身につまされる物語です。

スコアは輸入盤しかありませんし、高価ですが、ご興味のある方はご一見をお勧めします。
彼の別のオペラの筆者譜を写真版で見たことしかありませんが、だいたいモンテヴェルディの時代から、西欧音楽の記譜法はこんにちのものとかなり似たものに定着した様が伺えました。
それでも、印刷版のスコアから伺う限り、18世紀以降とは違って、声楽(合唱)部分はパートは音部記号で、器楽部分は特別な場合以外は明示しないでいることが分かります。
そのなかで、しかしモンテヴェルディは主要な箇所では「使用楽器を明示している」のが大きな特徴でもあり、「オルフェオ」が現代でもなお、オリジナルの色彩を失わずに上演できることに貢献しています。
「冥界」の場面でのレガールの明示がなかったら、この部分は「つまらないもの」になってしまって誤伝された可能性も大いにあります。
なお、楽器の指定されていないシンフォニアやリトルネロの部分は、指揮する方によって使う楽器構成が違うようで、どうやってお決めになるのかには非常に興味をそそられますけれど、どなたも結局は「きれいにまとまる」構成を選択なさるので、興味を持つだけ無駄なのかもしれません。

残席があるかどうか分かりませんが、ご都合が付くようでしたら、絶好の機会ですし、内容も見事です、どうぞお出掛けになってみて下さい。

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