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2007年10月 6日 (土)

ドヴォルジャーク「交響曲第8番」第1楽章(2)

前日に引き続き、ドヴォルジャーク「第8」の第1楽章のことを綴ります。

練習(自主練習や、先生のいらっしゃらない時の合奏)のためのメモです。
スコアかパート譜(出来ればスコア)がないと、意味不明でしょう。
TMFのかた向け、に限定されてしまうかもしれません。

なお、演奏技術用語で誤っている点はご斟酌頂ければ幸いです。
(今晩の練習曲ではないかもしれませんが・・・)

団員の方には、出来るだけ、印刷するなり楽譜に書き込んで頂ければ幸いです。
「この練習方法では違うのではないか」という場合にはメール等でご意見下さい。検討します。
ただ・・・オーケストラの団員は「個人プレー」を目的としているわけではない点、充分ご認識を願います。
ですので、ご意見頂けることは、むしろ今の私には心の支えにもなります。
(・・・さびしがりなので、ボクを孤独にしないで下さいね。。。)


01*全般に、16分音符の音型は、少なくともパート内でバラバラにならないよう、あらかじめ心の準備をしておいて下さい。16分音符の音型が全員できちんと揃うことは、この楽章の最大のキーポイントです。

02*冒頭部=前日記事の末尾の「和音」図を再度確認下さい。()内に黒音符が旋律構成音で、大体がその和音(密集型)のソプラノ音です。ということは、特段強く演奏せず、和音に解けこめばよいということです。(ホルンはユニゾンですので、音量に注意して下さい。ただし、チェロは案外弱めになる箇所なので、上手く補強できる計算は必要です)・・・ですので、和音を構成する各楽器(とくにトロンボーンとヴィオラ)は音程(響き)に対する耳の厳しさが必要です。チェロは4小節目のみはどうしても移弦が必要かもしれませんが、他は固定したポジションは基準としてのみ考え、指の感覚を広めに調整してA線のみで弾くべきかと思います。旋律的にはその方が美しく滑らかです。

03*「A」(以降、「」内はスコアの練習記号ないし番号)のクラリネット、ファゴット、とりわけトランペットは、フィナーレ冒頭をここで既に意識して下さい。ただし、ディナミークはppです。また、普段から1拍を4分割(16分音符相当)に分割してカウントする習慣を付けて(楽器をもたずとも、思いついた時に練習できることです)、それぞれの音符・休符の長さを正確に保ち、切り上げるように留意して下さい。ティンパニのクレッシェンドは始まりがスコアの一より前倒しにならないように気をつけて下さい。

04*28小節2拍目は第1主題第2部を決然と終結させる部分ではありますが、弦楽器は弓を押し付けて汚い音にならないよう、必ず気をつけて下さい。音に力をもたらすのは「響き」です。音の力を妨げるのは、「不必要な圧力」です。

05*「B」は、4小節目以降、クラリネットだけが、第1主題第3部を一貫して吹きます(チェロは8小節目でリタイアします)。吹き始めて7小節目(48小節)で音型・音域とも変わるところで態度が変わってしまってはいけないはずで、ここでも前からのつながりで一貫してテーマをとらえ、全体の設計をリードして下さい。後から入ってくるフルート、オーボエ、ヴァイオリンがとくにここで雰囲気を寸断しがちですし、金管楽器は抑制を忘れる危険度が高くもあります。

06*「C」の経過句、クラリネット、ついでファゴットは、スタカートは確かに大切(特に8分音符に付いたものはアクセント代わりです)ですが、練習ではむしろ、スタカートをとって、付点八分音符と16分音符の長さの比が正確になるように考えて置いて下さい。

07*「D」の、2ndVnとVCの三連符、右肩が暴れると弾けません。弓のバネを利用してくっきりと、しかも、揃えて弾いて下さい。

08*「D」のフルートとクラリネット、先生の要求とうまくかみ合うように頭脳プレーが必要ですが、76小節と77小節(81〜82小節も)が「同じものに聞こえる」ようにブレスの取り方に注意して下さい。フレーズ全体でブレスをとることに気を取られると失敗する確率が高いので、この2小節それぞれ(つまり1小節ずつ)で息を確保できるように計算なさった方がよろしいかと思います。同じことは「M」のクラリネットにも言えます。

09*95小節目の2ndVnのfzは弓を当てる瞬間だけが強いのです。バスケットボールを床に投げつける感覚を思い出して下さい。あとの音は、ボールが自然に弾んでいる、というわけです。ですので、弓の、弦という「床」に対する投げつけ方を、良くご考慮下さい。

10*「E」の2ndVnは全員で揃えて弾かなければなりません。リキんだら、揃いません。顔の力を抜きましょう。眉間の皺は肌を早く老化させます! 鏡で、ここを弾く時のご自分の顔をご覧になってみると良いです。

11*同箇所、木管は、菊地先生がこの間仰った、「スロヴァークがCredoと歌詞を当てはめたテーマ」ですね。10小節からは金管、コントラバスとアンサンブルして下さい。オバカサンなファーストヴァイオリンが多少ずれても無視しましょう! そのほうが芯のしっかりした響きになります。ファゴット、トランペット、トロンボーンは、四分音符の長さ、四分休符の長さを、正確に、均等に吹いて下さい。ディナミークはfです。

12*103小節からのオーボエは、スコアを見ればはっきり分かるのですが、他のパートがアクセントスタカートで演奏していることによって失われる懸念の大きい、オーケストラ全体の「響きの効果(残響では期待できない、色彩としての)」を補うためにつけられています。ですので、一音一音の輪郭がスラーのせいでボケることは許されません。そう言う意味で、目立ちませんが非常に難度の高い箇所です。正しい拍で、しかしよく響かせて(それが聴衆に本当に明確に判別されるわけではありませんが)、ということは必ず念頭に置いて下さい。

13*109小節から。くどいようですが、どのパートも、音符休符の長さは正確にとれるように、1小節を16分割(難しければ少なくとも8分割)で拍を考える習慣付けを、普段から心がけて置いて下さい。

14*111小節からの木管のトリルは「吹奏楽的」でもよいでしょうし、面白いかもしれません。・・・が、もし先生に叱られたらやめといて下さいね!

15*111小節からのトランペット・トロンボーンは、アパチュアを広くとって幅広い音で吹けるよう、口腔内の広さの方で「吹きやすさ」を調節して下さい。くれぐれも、アパチュアを狭めないで下さい。音質が固く、狭くなります。

16*115からのホルンはディナミークがもちろん最重要事項ですが、練習ではマルカートでくっきり吹けることを、まず意識しておきましょう。それが出来て初めて「先生の要求」があれば、それに応えられるようになります。今のうちから「ニュアンス」に走った発想になることは避けて下さい。

17*119小節のトランペットは「遠鳴りのファンファーレ」で、やはりフィナーレ冒頭部を予期しておかなければなりません。適切なタンギングに留意下さい。ppはミュートの効果を上手く利用することを考えた方が、ヘタに口元や息で調整しようとするよりは楽なはずです。

18*「F」部は、冒頭部に付いて記したところを再度、明確に認識し直して下さい。

19*「G」は、クラリネットとホルンで一つの楽器です。夫婦仲が試される? あ、人の割り振り、違ってますか?

20*「G」4小節目からの木管は、弦の弾き方が気に食わなくても、そっくりそのまま弦と同じ「ニュアンス」にして下さい。それで曲がつまらなくなれば弦パートの責任。それが聞き取れるかどうか、弦は試されるのだ、という意識で、木管との「口論」を冷静に進めて下さい。

21*またまた、ですが、163小節からの弦は各音符の長さを正しく! 3:1です!(2:1や4:1ではありません。)

22*165小節から4小節間は、ファゴット・ヴィオラ・チェロで一つの楽器です!

23*170小節からのクラリネットは、薄暗い音色に・・・って、どう吹けば出来るでしょうね? 息漏れの音が聞こえてほしくない箇所です。

24*「H」からはクラリネットとヴィオラで一つの楽器です。フルートはノーテンキで・・・先生がOKするかな?

25*「H」のテーマは、「ホルン五度」で書かれていることから、「田園的」であることを作曲者が意図していることが明白です。「ホルン五度」という音程・響きに対する緊張感は保たなければなりません。緊張感がなければ、「田園風」にもならず、酔っぱらったオヤジが狸に化かされて、幻想の宴会で踊って浮かれて・・・目がさめたら草っぱらの真ん中にいた、っていう民話を地でいくことになりますから、気をつけて下さい。

26*181小節からのオーボエに対しては、フルートは一歩後ろに引いて、ほいほいとおだて役の音頭取りに回って下さい(昭和40年代くらいまでの民謡の映像で三味線弾きのおばさんがやっている姿に、この辺の極意があるのですが・・・見られるのでしたら一度見てみて下さい)。

27*同箇所、1stVnは、その前のフルートの「ノーテンキ」が許されるのでしたら、フルートの雰囲気をそのまま受け継いで下さい。ポジションは、あまり上下する必要はないはずです。181冒頭のEsを1でとることからスタートしてフィンガリングを設計してみて下さい。簡単なものが見つかります。

28*「J」は、(本来、「練習方法」に比喩は望ましくないのかもしれませんが、)快晴だった田園の雲行きが怪しくなってくる部分です。ただ、あまり性急に、これより前の雰囲気を豹変させないよう留意して下さい。具体的には、f一つのところはまだ最強音ではない、ゆとりのある「響き」であることを忘れないで下さい。

29*194小節の2ndVnは決然とはいるし、ffなのですが、トップの責任で、パート内に音程とアインザッツのズレが生じないよう、自制心を忘れないように。

30*196小節からのファゴットはスラー付きですが、このスラーの持つ意味は103小節でのオーボエと同じで、響きを補完してやる相手はチェロとコントラバスです。ですので、1音1音のタイミングは正確でなければなりません。

31*207小節からは練習方法上でいえることはありません。ただし、先生の解釈にきちんとしたがって下さい。トランペットのニュアンスと音の長さ、弦楽器のトレモロのスピード感は要注意です。

32*219小節からのトランペットは、やはりアパチュアが狭まらないよう、口腔を上手くコントロールして、ゆとりのある朗々とした響きでなるようご工夫下さい。これは「ファンファーレ」ではなく、「聖歌」です。忘れないで下さい!

33*同箇所、2ndVnとVlaが音程の正しさのキーを握っています。極力、半音階音程は「指をズラ」さず、「指を入れ替えて」輪郭をしっかり取って下さい。

34*220小節からのトロンボーン、チューバは、音の長さは正しく、しかし音程も正しくとらなければなりません。(練習時に考える・・・脳に信号を送る・・・順番は、この逆に入れかえて下さい。)

35*同箇所、ティンパニはなぜsemple pなのかをよく考えて下さい。molto crescについては、個別に先生と打ち合わせをして適切な場所と量をお決めになることをおすすめします。

36*「L」4小節目からのクラリネット・・・Hさんと対話をして下さいね。。。

37*245小節のチェロとヴィオラのピチカートは、強めで良いので、指先の浅い音、爪のかりっとした音が入らず、芯のある、太い音になるように注意して下さい。

38*「M」のフルート・・・難しいですね! まず、1小節ごとに、3拍目の頭の音に頂点がくるように設計して吹けるようにしておいて下さい。大きいフレーズでの設計は、それが出来てからの話です。

39*「M」のティンパニ、正しいタイミングで。ppですが、きちんと聞こえれば大変に印象的なものです。258小節まででワンフレーズですので、それを考えて、毎小節同じ、になってしまう単調さは避けるよう、「メロディ」としてのイメージをきちんと持って下さいl。

40*267小節からのホルンは「Credo」の変形です。音程、アクセントのアインザッツを2本できちんと合わせて下さい。

41*271小節からのフルートは16分音符が均等に吹けるよう、スラーをすっかりはずす、2音ずつつける、4音ずつつける、2拍ずつつける、の基本練習をよくやっておいて臨んで頂ければ・・・僭越ですが。

42*以下、コーダに付いては「雰囲気まかせ」ということで。(本当はそれではいけないのですが、我々はレコーディングを残すプロ、ではありませんから、いいでしょう?)

第1楽章については以上です。

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