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2007年9月20日 (木)

ヴァイオリンが弾けなくて泣いた話

ネタにしようとしていることが、どれもまとまりきりませんので、ちとばかし笑ってしまう、自分の昔話を。

高校生になって以降、大学まで地元の学生オーケストラでずっとヴァイオリンを弾いていた私ですが、上京して就職してから3年はセールスに携わりました。
その当時は、夜は帰りが夜中の12時、つまり午前0時を過ぎるのは当たり前。ワンルームマンションなるものはありませんでしたから、入居したのは集団生活の社員寮。
ですので、3年間はヴァイオリンを手に出来ませんでした。
全くそうだったわけではなく、水曜定休でしたので、半年くらいかけて水曜が練習日のオーケストラを探して入団したりしました。それに、寮で、金属製の重いミュートをつけて・・・こうすると、サイレントヴァイオリンの音をヘッドホンをつけずに聞いた時ほどの音量にはなります・・・こっそり弾いては叱られたりしながら過ごしました。
でも、定休日は有って無いようなもの。練習にも殆ど参加できず、それでもお情けで2回ほどは演奏会に乗せてもらった記憶があります。本番2回前くらいがやっと初見で・・・何を弾いたのかは殆ど覚えていません。
こんな具合ですから、殆ど練習らしい練習をしたことがありませんでした。

3年経って、諸事情が幸いして、3年の年限付きでしたけれど、故郷へ異動をさせてもらえました。
異動して、喜び勇んで出かけたのは、大学時代に通っていた練習場。

誰もいませんでした。ワクワクしながらケースを開いて、ミュートもつけずにすむので、思い切り音を出そう、としました。

・・・出ませんでした。
「あれ? オレ、いくら何でも、もう少し弾けたはずなのに」
弾けたはずの独奏曲が弾けません。
どんどん難易度を下げて、数曲試しましたが、やっぱり弾けません。
最後は鈴木メソードのキラキラ星変奏曲(モーツァルトの素晴らしい作品ではありません)を弾いてみました。
音に、輪郭がつかない。ふわふわばかりする。で。無理矢理チカラを入れてみる。今度は一音一音引っかかって、とても「音楽」と言えるものではない。それどころか、ただの雑音。
とにかく、どう表現していいのか分からないのですが、まず音そのものが満足に出ない。
管楽器なら、数年も吹いていないと、もうアンブシュアが崩れて元の勘を忘れてしまって音が出ない、ということはありますでしょう?・・・弦楽器を弾くというのは自転車をこぐのに似たところがあって、いったんコツを覚えれば、数年空けても、前のように、いえ、場合によっては前よりずっといい音で弾けるようになるものです(ちなみに、これはこの話の数年後になってやっと悟ったことです)。
「いや、違った! 弦楽器も管楽器と同じなんだ」
初めて気が付きました。

あまりの情けなさに、大泣きしてしまいました。
本当に、童話に出てくる、ひどい泣き虫と同じように、おーん。おーん、と声をあげて泣きました。
周りに誰もいないので、平気でそうやって泣けたのでした。

ふと気が付いたら、目の前に大きな鏡があります。
思い出しました。この鏡の前で、大学オケの連中は、入れ替わり立ち替わり自分のフォームを確かめながら練習したものでした。私もそうしていたはずなのに、なんで・・・?

その上、鏡に映った自分の顔が、まさに浜田広介の「泣いた赤鬼」でしたので、今度はつい照れくさくなって、頭も冷めて、以前やったようにフォームの確認をしてみました。

弓の描く線は直線ないし緩やかな円弧でなければならないのに、見事にV字を描いていました。
「これじゃあ、音になるわきゃねえや」
で、やっと音のでない原因の一端を思い出しました。それまで、寮で身を縮めて弾いていたせいで、右手が萎縮していたのでした。

1週間かからずに、とりあえず、「就職前のヘタさ加減」までには勘が戻りました。
左手は、当時まだ、今よりもとんでもなく基本が出来ていませんでしたから、もう少し時間がかかりました。

私が練習熱心になったのは、このときから結婚直前まででして、結婚後は家で弾くと怒られるので、1週間ごとのオーケストラの練習日以外は、また練習しなくなりました。

でも、おかげさまで、今度はイメージトレーニングってやつが流行り始めていたので、それに則って練習をして、何とか今日に至っております。

という次第で、やっぱり、上達だけはまだまだ望めない状況なのであります。

をするのも、怠惰な練習態度の故でして・・・

お笑い界でヴァイオリン漫才でもやる方向で、ちょっと考え直しましょうかね。
・・・真面目な方は、ミスの要因について記しましたので、お役に立てて下さい。

上記のへまをやった時の演奏会の音は、すべてこちらでお聴き頂けます。
http://ken-hongou.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/44_36e0.html
まわりには上手な人も多いので、こんなヤツでも随分助けてもらっているのがお分かり頂けるはずです。

恥ずかしいお話ながら、ご参考までに、披露させて頂きました。

お粗末。

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