« ハイドン観察:交響曲(1):交響曲以前(成長過程) | トップページ | 注目!上岡敏之・ヴッパータール交響楽団 »

2007年9月15日 (土)

井上直幸 ピアノ奏法2(DVD)

音楽なら「ピアノの弾き語りくらいでも興味あるよ」という方にも、お勧めします!


井上直幸ピアノ奏法〈第2巻〉さまざまなテクニック―タッチとペダリング (DVDブック)

井上さんについては、既に2度ほど綴りました。
『象さんの子守歌』:井上直幸
 http://ken-hongou.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_33a7.html
は、その成長を見届けることが出来ない孫のために、余命幾許もない井上さんが思い切って録音した、そのCDをめぐるお話でした。(私はこのCDを今も家内の仏前に供えております。)

井上直幸 ピアノ奏法1(DVD)
 http://ken-hongou.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/dvd_f343.html
は、今回採り上げるDVDブックの最初の編です。
作曲家別に作品のポイントを、心から楽しそうに説明してくれる映像は、クラシック愛好者には大変貴重なものですし、同時に井上さんという方がどれだけ素晴らしいピアニストであったかも伝わってきて、涙が出ます。

・・・が、同時に入手してあった第2巻の方は、
「さて、どうおすすめしたらいいものか・・・」
ずっと迷い続けておりました。

私自身がピアノはろくに弾けません。
で、この第2巻は、ピアノという楽器をどう演奏したら効果的か、を、ある程度「専門的に」整理した内容ですから、ピアノを弾かない人にも、はたしてお勧めできるのかどうか、という心配をしていたのです。

今日、DVDというもの自体を久しぶりに見る時間が出来たのですが、迷わず井上さんのこの「ピアノ奏法2:様々なテクニック」を選択しました。
見ているうちに、前に心配していたことは間違いだった、と、悟りました。

100%理解しようと思ったら、ピアノという楽器のしくみを知っておく必要もありますし、ピアノの演奏自体があまり苦痛ではない程度には出来ていないと、無理ではあります。
けれども、果たして100%の理解、などというものが、人間、あり得るのでしょうか?
そこをよくよくお考え頂ければ、別に、そんなレベルを目指して見る必要は全くないことには気づいて頂けるのではないでしょうか?

楽器をおやりになる方には、「ペダル」の部分はピアノ固有の要因もありますので類推に知恵を使わなければなりませんが、それも含め、井上さんがピアノの前で実演してみせる「技術」は、楽器の種類を問わず応用がきくものであることを保証します。

ですが、このDVDブック、楽器をやらない方、かつは、「クラシックなんか縁がない、詳しくない」という方、かつ、「私は<良質の>仕事をしてみたい」と頑張っている方にも、見て頂けたら嬉しい内容なのです。

井上さんは、冒頭部分で、だいたいこういう意味のことを仰っています。
「まず、こうしたら適切かな、というイメージがあって・・・次に、それに合う技術を選んで弾いてみて・・・聴いて確かめる。これが大切です。」

もう30年も前から、工業系の企業を中心にTQCというのがあって、これの合い言葉は
「Plan(計画)-> Do(実践)-> See(結果観察)-> Check(反省)」
というフローでした。・・・井上さんの言葉と、何の違いもない。
いや、違いがあるのは、井上さんの言葉では3つに集約されている最終部分が、わざわざ「See(結果観察)-> Check(反省)」の2つに分けられている点で、これについては本当は私は一言持っているのですが,屁理屈こねても仕方がないのでやめておきます。(でないと、私は「利潤追求否定者」ということになり、企業にいられなくなります・・・あ、言っちゃった。後は察して下さい。それに、私のいる会社は、そんな意地悪ではないです。。。ホント。)

作詞、作曲、という行為とはまた異なりますが、この第2巻での井上さんは
「音楽を創造する<工程>をどうするか」
を、一見ひとつひとつバラバラに「製造技術」を解説・実演するように見せながら、何度も見ているうちに
「ああ、総合的にはこういうことなのか!」
と納得させてくれるようにお話を進めて下さっています。

ですので、ピアノの演奏技法がすぐに他のお仕事へと類推で繋がるかどうかはご覧になる方次第ではありますが、すくなくとも(クラシックでなくてもピアノ伴奏の歌が好き、というだけで)、
「あ、これって、私の携わっている世界でも言えることだな」
そんな応用が効く普遍的な内容
になっている。

クラシック音楽に興味のない方がこのブログを読んで下さることはあまりないとは存じますが,たまたまでも目にして下さったのなら、騙されたと思って2,940円を春秋社さんにお支払いになってみて下さい。

「命」の素晴らしさを知っていた、尊敬すべき一人の日本人の、心から敬意を払うべきドキュメントです。


井上直幸ピアノ奏法〈第2巻〉さまざまなテクニック―タッチとペダリング (DVDブック)

Book
井上直幸ピアノ奏法〈第2巻〉さまざまなテクニック―タッチとペダリング (DVDブック)

著者:井上 直幸

販売元:春秋社

Amazon.co.jpで詳細を確認する


|

« ハイドン観察:交響曲(1):交響曲以前(成長過程) | トップページ | 注目!上岡敏之・ヴッパータール交響楽団 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/7952832

この記事へのトラックバック一覧です: 井上直幸 ピアノ奏法2(DVD):

« ハイドン観察:交響曲(1):交響曲以前(成長過程) | トップページ | 注目!上岡敏之・ヴッパータール交響楽団 »