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2007年8月 2日 (木)

曲解音楽史(16補遺)源博雅

曲解音楽史16:唐朝と朝鮮・日本(3)に、日本の「源博雅(918〜980)」が作った の音を掲載しました。
博雅については、日本の古典にお詳しい方はご存知かと存じますが、彼について触れている「古典文学」と、その中で博雅について触れた箇所を列挙し、補遺と致します。
日本には鎌倉前期まで説話集や政談の類いが好んで集成されていますが、「政談」の中にまで音楽関係の話が集められているのが面白い点です。

・「江談抄」が、そうした政談の代表格ですが、これは大江匡房の談話を藤原実兼(有能だったが早世した、と伝えられる人物)が筆録したもので、その「第三」に音楽(楽器と音楽家の品評が主)の話題が21も載っています。成立年は確実には分かりませんが、匡房の没年が1111年、実兼の早世が翌1112年であることが参考になるでしょう。博雅は21の話題の中の二話に登場しますが、ひとつは「今昔物語」にも載る、博雅が盲目の蝉丸から琵琶の秘曲2曲を伝授された話です。ただし、語り口から見ると、今昔とは別系統で匡房の耳に入ったものかと思われます(第三-63)。その前にある話は、単純なものですので本文を載せます。

(53)談られて云はく、「博雅の三位の横笛を吹くに、鬼の吹き落とさるると。知るにや、いかん」と。答へて曰はく、「慮外ながら、承知し候ふなり」と。(新日本古典文学大系)。

藤原定家の晩年頃以降の成立と思われますので「今昔物語」よりはずっと新しい説話集ですが、
・「古今著聞集」というのがあり、これは「第六:管弦歌舞」に55話を収録しています。第224話(通算)には、博雅が誕生したとき、天上から妙なる音楽が聞こえた、という伝説が載せられています。

・「江談抄」でも触れた、蝉丸から琵琶の秘曲を授かった話は、「今昔物語」では本朝世俗部巻第二十四の第23話に記されていますが、伝えられた秘曲は「流泉」と「啄木」だとされています(「江談抄」にも出ています)。
それそのものかどうかは定かではありませんが、東京楽所のかたが演奏した録音がありますので、お聴きになってみて下さい。なんの断りも付けなければ、二十世紀の作曲家が作ったんじゃないか、とお思いになられるかもしれませんヨ。。。

(別伝の流泉もあります)

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