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2007年8月21日 (火)

8月22日は誰の誕生日?(2つのアラベスク第1番)

はい、私の誕生日です!
・・・でも、スポンサーがいなくなっちゃったから、明日ケーキは食べられない。。。
自分で前祝いしちゃおうか。

というわけで。
実は8月22日は私みたいな小者ではなく、有名大作曲家の誕生日でもあるのです。
(タモリの誕生日でもあるけれど。)

180pxclaude_debussy_ca_1908_foto_avその大作曲家とは、ドビュッシー。
1862年生まれですから、私よりはるかに、年上です。

で、この人の有名な「アラベスク第1番」を4人のピアニストで聴き比べて頂きましょう。
え? そんな曲、知らない、ですって?

触りをお聴かせしましょう。


どうですか?

アラベスク第1番は、ドビュッシーが初めてバイロイトで鮮烈なワーグナー体験をした1888年から、はやくもアンチワーグナーに転じた時間を経て、サティと知り合った1891年まで、実に4年近くも手を入れ続けた「2つのアラベスク」という、そのくせ2曲全部演奏しても7、8分という作品のうちの最初のものです。

第1番は、
*第1のテーマ〜第2のテーマ〜第1のテーマを軸にした<A1部>
*中間部のテ−マで貫かれた<B部>
*<A1部>をさらに叙情的にした<A2部>
の三部からなる曲で、調で言うとホ長調としか言いようがないのですが、実は旋法で言うとA部はドリア旋法(終止音はCis)、B部はリディア旋法(終止音はE)を用いています。
などと綴ると難しくなりますが、18世紀に単純化されてしまった「長音階」や「短音階」で書かれていないことで、かえって音楽そのものは、優しく心に響くものにしあがっています。

小さい作品ながら、ドビュッシーを得意とした、とされるピアニストの演奏も、これほど千差万別に聞こえてしまう例は珍しいと思います。
比べてみて下さい。

(1909〜1987)  ERATO WPCS-21080
(1950〜 ) DENON COCO-70447
(1924〜1970) EMI 7243 5 75434 2 2
(1925〜) EMI(ドビュッシーピアノ音楽全集)

いかがですか?

ただ、これだけ違っても、A1部の終え方やB部の三連符のスピード感(フランス風なのでしょうね)および響かせ方、全体の構成観には4例を通じ一貫したものがある点にも、是非ご傾注下さい。

ただ「個性」を強調するのが「音楽」ないし「演奏」ではないことを、この4例は良く示してくれると思います。これは「クラシック」にだけ言えることではない、と確信しております。

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コメント

おめでとうございます!

私の誕生日は武満徹といっしょ、ドビュッシーからみると孫弟子くらいの感じでしょうか。
ちなみにうちのかみさんはせんだみつおと同じ誕生日です。。。

投稿: キンキン@ダイコク堂 | 2007年8月22日 (水) 10時14分

お誕生日、おめでたうございます。
寢坊したもので、今頃朝飯を終へて、食後の音樂を聞かせていただきました。
このやうな小さな曲でも、聽き較べてみるとずゐぶん印象が違ふものですね。
モニク・アースといふ人は名前だけ聞いたことがあつたのですが、演奏は初めて聽きました。

ちなみに私の誕生日は、阪神のサジキハラ選手、オリックスのローズ選手、阪神の矢野選手のお孃さんと一緒のやうです。
あ、あとは、かつてたくさんの少女を殺した宮崎つとむ(漢字忘れた)もさうでした・・・

投稿: 仙丈 | 2007年8月22日 (水) 12時07分

キンキンさん、ありがとうございます!
武満徹、とはまたうらやましいです。その音楽にじっくり取り組みたい(CDは溜め込みました)のですが、楽譜が高価なのでなかなか思うように行きません。演奏経験も、彼の生前に初期作品を1回やったきりだしなあ。奥様は高木美保とか秋吉久美子とか坂上香織とかと同じお誕生日、ということですね! せんだみつおも70年代の「寵児」でしたが。。。高木美保さん、私、好きです!

仙丈さん、ありがとうございます!
さすが、野球好きの星の下に生まれただけのことはある、という感じですね、恐れ入りました! 宮崎某はまあ、例外。 いや、人間、日付だけなら同じになる確率は365.2422分の1ですものね。
モニクさん、どうですか? 私は尊敬しているのですけれど。

投稿: ken | 2007年8月22日 (水) 20時55分

お誕生日おめでとうございます&はじめまして。
わたしは奥様の大学の後輩です。室内合奏団でビオラをやっていました。
ドビュッシーと一緒の誕生日なんてすごいです(タモリも)。わたしは俳優の三上 博史と年も生まれた月日も一緒です。残念ながら有名な音楽家とは一緒ではありませんでした。
突然書き込み失礼いたしました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: ぴか | 2007年8月22日 (水) 21時53分

ぴか様、ありがとうございます。
>ドビュッシーと一緒の誕生日なんてすごい
と、本人は思っておりましたが、家族には鼻で笑われ続けております。笑われる方が「当たり」なんですけどね。
家内が現役当時、ご一緒させて頂いていたのでしょうか? でしたら、当時おかけしたでありましょう数々の家内の失礼には、私がかわりましてお詫び申し上げます。でも、ちょっと間が空いていましたかね? いい青春時代を過ごせて本人はいつも自慢していました。出産の時まで室内合奏団にでていましたが、出産を機に私が人質に出され、えらい目に遭いました(私が「先輩」と呼ばれました)!

>三上 博史と年も生まれた月日も一緒
 トシはずっと上ですが、朝丘雪路さんと同じでもありますね?
 クラシックではないけど、宝塚で一世を風靡したではないですか!

これからも宜しくお願い致します。

投稿: ken | 2007年8月22日 (水) 22時23分

このなかでは、
モニク・アース>アルド・チッコリーニ>ミシェル・ベロフ>サンソン・フランソワ
の順番で好きですね。
フランソワのは聽いてゐるうちになんだか平衡感覺がをかしくなつて來ました。
不思議な演奏です・・・

投稿: 仙丈 | 2007年8月23日 (木) 01時08分

フランソワの演奏は、私は最初、びっくりしました。でも、中間部や第3部の最初では奇をてらっていないんですよね。かつ、たぶん、最初のところも彼にとってはこれで「自然」だったのかも知れません・・・たしかに、不思議な演奏です。
このひとは、日本で言うと落語家の志ん生みたいなところがあったそうです。

投稿: ken | 2007年8月23日 (木) 07時08分

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