« グリーク「ピアノ協奏曲」ソリスト紹介 | トップページ | 屍を停めざる大海・・・ »

2007年4月23日 (月)

良質な「地元」にもっと応援を!

4月22日記載です。

昨日、本日と、ご縁で二つのコンサートに行きました。
昨日は、三鷹の、茂木大輔さんのレクチャーコンサート。
本日は、埼玉県吉川市の、吉川吹奏楽団第17回定期演奏会。

昨日の三鷹については別途記します。

今回は、「吉川吹奏楽団」の方に着目します。


吉川吹奏楽団第17回定期演奏会は、4月22日14時から、吉川市中央公民館で行なわれました。入場無料。
電車からのアクセスも不便ではないですし、目立たない場所ではありますが、クルマでなら近郊からのアクセスも便利です。
メンバーは23名。で、聴きにいらした方の数を数えたら・・・約60名。

「初心者でも一緒に音楽を楽しもう」というスタンスの団体ですから、拝見・拝聴していると、
「あ、このメンバーは楽器をお始めになったばかりだな」
と分かったりもします。
でありながら、演奏内容は、たいへん立派なものでした。
後半のポピュラーの部でも、充分「ノリ」ながら、決して音楽の流れは崩さない。
全体を通じ、和声感も良く保たれ、ときに小編成とは思えない豊かな響きも聴かせてくれました。
これはひとえに、非常な勉強家でありながら優しいお人柄で分かりやすい指導をなさっている常任指揮者、巻島俊明さん(トロンボーン/サックバット奏者、東京カンマーブラス/ムジカフォレル所属)をメンバーも良く信頼している成果ではないかと感じました。
「これは、メンバーの倍程度のお客さんだけに聴かせるのは勿体ない」
・・・そう、正直に、心から思いました。

吉川吹奏楽団の例のみならず、とかく「地元」の団体には(秩父市みたいな例外があるようですが)、まず地元民が、あまり興味を示さない。三鷹のように地元に有名人がいれば別ですが、三鷹の茂木さんとて、実は最初から自らのレクチャーコンサートに大人数を動員出来た訳ではなくて、大変なご苦労をなさったようです。ただ、茂木さんの場合は、そちらに触れる際に少し触れるつもりですが、地道にバックアップして下さるスタッフに恵まれていました。

「地元」の団体が「地元」にもっともっと認知されるには、

・「せっかく演奏するのだから、なるべくたくさんの人に聴いてもらおう」
 と、メンバー自身がそちらへも意欲を持つ
・後援者がもう少し熱心に宣伝に取り組んで下さる

という二つの要件があります。
が、この2つで「うまく」やっている団体を幾つか見てきましたが、決して好ましいとは思えませんでした。
幹部が政治家とうまいこと関係を持ってみたり・・・
宣伝には熱中するけれど、音楽の仕上がりを見つめた練習よりは飲み会に熱中していたり・・・

「吉川吹奏楽団」は、そういう団体ではありませんでした。
拝聴して、私はそれを確信しました。
こういう良質な団体は、上の二つのことに上手く取り組む工夫を、そろそろお始めになっても宜しいのではないかと思います。(いろいろな困難が新たに生じることもありますから、慎重さも必要かも知れませんが。)

それからなにより、「地元」のかたが、
「あ、うちのそばに、こんな良心的な音楽を聴かせてくれる団体がある」
という電波を、どうか、高性能のアンテナでもってとらえて頂ければ、と願わずにはいられません。

以下、余談ですが、今日のプログラムの中に、特筆すべき作品が取り上げられていたことにもひと言触れておきます。

グリーク作曲「ノールロークの(思い出の)ための葬送行進曲」が、それです。
ノールロークはグリークがノルウェー音楽の作曲家なのだと自覚する上で大きな役割を果たした友人でしたが、一緒にイタリア旅行を計画してベルリンで待ち合わせたとき、結核にかかってしまいます。伝染を畏れたグリークは、孤独を訴えるノールロークを見捨てて、一人、イタリアヘ行ってしまいました。
その最中、ノールロークは寂しく死んでしまいます。
見捨てた友の死の報に烈しい後悔にかられ、グリークが一気果敢に仕上げた作品が、この葬送行進曲なのです。
以後、グリークがピアノ協奏曲を嚆矢としてノルウェー随一の作曲家となるきっかけを作った、記念碑的作品です。
今日は、これを聴けたことも大変な喜びでした。

吉川吹奏楽団の皆さん、本当にありがとうございました。
吉川市や近郊の皆様の、吉川吹奏楽団へのご支援をも、強くお願いしたいと存じます。(25:01)


|

« グリーク「ピアノ協奏曲」ソリスト紹介 | トップページ | 屍を停めざる大海・・・ »

コメント

吉川吹奏楽団の打楽器担当者です。
先日は演奏会にお越しいただきまして誠にありがとうございました。

大変ステキな感想を嬉しく思います。
私のとって吉川吹奏楽団初めての演奏会でした。

お客様の件ですが私としても寂しい感じでした。
これから団員と話し合い、来年はもっとたくさんの方にアピールしていきたいです。

本当にありがとうございました。

投稿: ドラミ | 2007年4月26日 (木) 00時38分

わざわざのコメントありがとうございました!
パーカッション、実は注目していましたヨ!
私は身内に「打楽器失格」の烙印を押されていますので(T_T)、あんなに楽しそうに叩けるのは、とてもうらやましくてなりませんでした。
皆様にも宜しくお伝え下さい。

投稿: ken | 2007年4月26日 (木) 22時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/6182297

この記事へのトラックバック一覧です: 良質な「地元」にもっと応援を!:

« グリーク「ピアノ協奏曲」ソリスト紹介 | トップページ | 屍を停めざる大海・・・ »