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2006年12月19日 (火)

スコアを読む:ブラームス「交響曲第1番」(1)

「スコアの勉強部屋」カテゴリは、TMF演奏会でやる曲を中心に、当面自分自身の勉強をしたいと思って設けたカテゴリです(ので、丁寧語は使いません)。間違いがあったとき、異見がある場合、等コメントを頂けると嬉しいです。


当面の課題は3作曲家で4曲です。
・ブラームス:交響曲第1番、ヴァイオリンソナタ第1番
・グリーク:ピアノ協奏曲
・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
資料情報がありましたら、是非お知らせ下さい。
※今日はブラームスの第1交響曲の1回目のレポートです。


ブラームス「交響曲第1番」

・第1楽章:(1)
・第2楽章:
・第3楽章:
・第4楽章:


<スコア>
・Breitkopf Urtext Studienpartitur PB3204(1991)〜読譜用
・全音楽譜出版社ISBN4-11-891101-9 c3073(1956)〜書込用
  (普段持って行ける大きさなので。音友のは大きくてダメだった。。。)
※日本版のスコアは区切り箇所等、見づらい。
   ブライトコップフ版と比べると歴然とする。
   音友版はブライトコップフ版と同じ大きさなので、ガッカリ。
   モトの版は、どこの会社なんだろう? これもいずれ探り出したい!
   (全音と音友で微妙に違うはずだが、後者未購入で確認し切っていない。)
   (2006年12月22日、音友版はオイレンブルクが下敷きらしいと確信。
    ただし、今出ているオイレンブルク版がいつ出たのかものかは、判明せず!
    ずるいそ、オイレンブルク!)

<メモ>
成立史から辿ろうかとも考えたが、
・手元にあるのはスコア2種、日本語文献3(創作史に触れているものは1冊のみ)だけ
・英文文献未着(2月か?)
・関連作品については情報収集中であり、かつ未理解でもある
・そもそも「成立史」を先にするのは、楽譜を読む勉強という主旨からすればしっぽと体が逆になるようなもの
ということで、やっぱり仕方がないので、ホントは最も難しーい「スコアそのものを読む」から始めることにするものであってあるのである!


第1楽章(1)序奏部

※「成立史」からいくと第1楽章では最後に作られた部分なのだとのこと。(ノリントンが言っていた。フリッシュ「ブラームス 4つの交響曲」には、クララ・シューマンが残した手紙から、第1楽章を構想したらしい当初【1962年6月】には序奏部がなかったことがわかる、とだけ述べている。訳書44頁。天崎さん訳のこの本、古本屋サイトでもなかなかみつからなかった。何でこういう良書が先に絶版になるのか、出版社の考えることは分からない!)
スコアを一通り読んでみると、ノリントンの言葉は「ホントなんだろうな〜」と思ってしまう。ホントじゃなかったらどうするんだ!?

※ 楽譜に書き込んだ方が一目瞭然のことばかりだが、手書きは汚くなっているし、PC上でやるには時間を食うので、それは後日アップする。

<概要>
1〜37小節。Un poco sostenuto c-moll 6/8拍子(8小節目のみ9/8拍子)
構成は5節(1〜8小節、9〜20小節、21〜24小節、25〜28小節、29〜37小節)
モチーフは大きく3種で、それぞれリスト化した通りの要素からなる。
・・・なお、各々のモチーフを表す略号は思いついたときにはどうしてその記号にしたかの理由があったはずだが、適切性に欠ける場合が多かったので、その理由は忘れたことにする。単なる記号として使う。)

<モチーフ>〜最初の8小節で出尽くす。
※主要主題(略号[M]):またの名を「姫」。ヴァイオリン2つ、チェロが担当 
(チェロはBr版ト音記号、全音アルト記号開始)
〜前半4小節上行、後半4小節は下降を軸とし、最後だけ未練がましく半音・半音と上行する。
・a:他のメンバーが先に行くのに、こいつは後ろが気になってが仕方なく、半音階を2拍ずつ繋留させることで「振り返る」仕草を見せる。1〜2小節目。bを挟んで3〜4小節目も(a'、ただしこちらは最後は全音下降)。
・b:2小節目後半(4拍目裏から6拍目まで)の16分音符による急速な上行型。「否、こうしてはいられないんだ!」との心のせかし役
・c:5小節目に現れるオクターヴ下降・6度上昇・3度上昇の音型。初登場のこの場面では16分音符でbとは逆の「ためらって<やっぱり戻るワ>と素早く後ろを振り返るためらい足」役。でいて戻るわけじゃないところが「姫」の性悪な、もとい、謙虚な性格を表している(のであろう)

※副主題(略号[LM]):またの名を「乳母」木管群(コントラファゴットを除く)およびホルン
ヒロイン[M]姫の脇にすがっておろおろしている風情、というところか。
・α:第1小節目。芯は3拍ずつの全音下降。次のβと一体と見なす方が妥当か?もしくは[M]a'と双子か?
・β:第2小節目:4拍目で半音、6拍目でさらに半音下降する。
・γ:第3小節目の、7度上行。
・δ:4〜6小節目の「シーー/シドレ」もしくは「ミーー/ミファソ」の音型。
・ε:7小節目。正体はオーボエにだけ隠されている・・・上行音型と見せかけながら、じつは「ラ・ソ・レ」もしくは「ファ・シ・ラ」の下降音型なのだ! 曲者である。。。38小節からのAllegroで、正体を遺憾なく発揮して現れる妖怪「般若」的存在

※ずっとなり続く低音(略号[OP]):トランペットの最初のひと吹き、コントラファゴット、コントラバス。最初の8小節はずっとC音でジッと我慢。後ろに控える、護衛役なのか黒子なのか背景画なのか・・・今のところ、そこまでは分からない。

「なんでもいいけどさあ、[M]姫、[LM]殿、早いとこどうするか決めてよ〜」

などという泣き言は言わない。えらい人たちだ。。。演奏者もそういう人格の人ばかりであって欲しい。。。
(だが、ひょっとしたら主部で牙をむき出すかも・・・不気味だ!)

以上のモチーフが38小節目以降の主題を作り上げる要素ともなっているのが非常に面白い。
が、その点は主部を読む時あらためてじっくり観察する。

<調性的特徴>
骨格は一貫してハ短調だが、次のような工夫で「神秘化」している。
・冒頭の音はC音のみ、25小節目フォルテシモの音はG音のみ。
・・・そうなんです、ここでは他の音は混じっていないんです
      気付いてましたかぁ?・・・と、音楽の神様にあざ笑われたボク。
  (でありながら既に短調を感じるのは何故?聞き慣れ? 
    25小節目ではティンパニはトレモロとなり、凄みを増している。)
・9〜20小節の部分は半音進行に聞こえるような書法をとっている。
  ところが、実は減五の和音で無調的に聴かせているだけで、骨組みは
  前半2小節は[LM]γの反行型、後半2小節は[LM]βを使用し、
  調も
    c moll - Ges Dur(= es moll) - c moll(増四度上行)
    Ces Dur(= b moll) - c moll(全音上行) ->ただし、f mollにゴールするが。
  という、ある意味でアルカイックな、したがって耳に優しい動きしかしていない。
・21小節(練習記号A)から4小節間、音はGとEsのみから成っている。
  ---25小節目から始まる新たな調性を不明確なままに保留する効果。
      (ト短調になるのだが、28小節後半でハ短調となる)

<カデンツの特徴>
(あってるかどうか分からん。。。)
・1〜8小節:ハ短調T〜S〜D〜T(〜S〜T)〜D
・9〜20小節:曖昧化〜D〜T〜D〜T〜(転調)〜D〜T〜D
・21〜24小節:曖昧化〜D〜T〜D〜T〜(転調)〜D〜T〜(転調)〜D〜T〜D〜T〜S(=下属調S)
・25〜28小節:T〜Sでハ短調へ。
・29〜37小節:D〜T〜S/D〜T〜S〜S〜S〜D

以上。

*読解内容未記入ですが、レポートをチェックし私に訓戒を与えて下さる方のために、ブライトコップフ版スタディスコアの序章部部分(3葉)は掲載しておきます。
全3頁。
P.1
Brahmssym111

P.2
Brahmssym112

P.3
Brahmssym113

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