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2006年11月 1日 (水)

エロイカ「聞き覚え」のヒント

TMFの皆様、もう曲を「聞き覚え」て下さいましたか?
ご多忙中とは存じますが、まだなら是非是非、お願い致します。

宮沢賢治はよく近所の農業従事者を自分の小屋に呼び集め、レコードコンサートを開きました。
例えばある日、そこでドビュッシーの<海>をかけながら・・・

「せんちゃう、たいへんです、たか波がおそつてきました!」
「・・・おや、前のはうになにかとてつもなくおほきな岩が。」
「気をつけろ、暗礁に乗り上げるぞ! とりかぢいつぱい!」
「あんまりまるくておほきな岩だ。」
「まるでまつ赤に燃へているやうだ。」
「いいや、岩ぢゃあない!」
「オホダコだ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

って、ここまでウルトラQっぽくはないですけれど(ウルトラQは、なんぼ何でも知ってますよね? え、知らない!? ・・・)、そんな調子で弁士をつとめましたので、集まった人たちは曲のイメージをずいぶんくっきり記憶して帰ったそうです。

それに倣って、今回の音楽をストーリー化してみませんか?
「白鳥の湖」は各舞曲の標題から、ご自身で想像を膨らませると良いでしょう。
「モルダウ」についてはこちらをお読み頂ければ有り難く存じます(長いので、最初のほうだけでいいです)。
残るは「エロイカ」。 へたくそにしかストーリー化できませんが、こんなので如何でしょう?
(すぐ長くしてしまう癖があるので、なるべくカンタンにとどめます。細かくはやはり、各位の想像力にお委ねします。)



舞台は中世ヨーロッパの、地図にも載っていない、ある小さな王国。
大きな敵に襲われて苦戦していたが、勇ましく知恵深い国王が踏ん張った甲斐があり、敵を国境の砦まで追い詰めたところから、お話は始まります。

<第1楽章>
夜が明けました。さわやかな青空です。
鬨の声を2つ上げ、王国軍は敵の砦にむけて馬を走らせます。勝利は目の前。これで自分たちの国にふたたび平和が訪れる・・・それを思うと、走る馬上で頬に受ける風は、涼しくさわやかです。自ずと、気分もたかぶります。
もうみんな、戦いに勝ったあとに飲む、おいしいお酒のことを考え始めてしまっています。さあ、攻撃をかけるゾ! 兵士たちは敵の砦に矢を射かけます。敵は、シンとしています。
「もう勝ったも同然だ。」
若い兵士は、都で待つ恋人の可愛い笑顔を思い浮かべてニンマリしてしまってさえいます。
さあ、一斉に、突撃です!
砦の前まできました。敵は、不気味に静まり返っています。
「もう逃げたんじゃないか?」
「いや、油断するな」
ベテランがそう言ったとたん、砦の上から敵が石つぶてを烈しく浴びせてきました。
味方には負傷者も出たようです。
「希望を失うな! 我らはすでに勝っているのだから!」
自ら指揮に当たっている国王が、それでも声を荒げることも無く、落ち着き払って号令をかけます。
しかしどうやら、その国王に、敵の矢が当たったようです。
「心配するな、大丈夫だ」
決意を新たに、味方は悲壮な面持ちで、全力で攻城戦に集中します。
砦は、まず入り口を破られ、あちこちの壁も穴をあけられ、風前のともしび。
とうとう敵は大慌てで逃げていきました。
傷ついた王を気遣いながらも、兵士たちは声高らかに勝利を宣言し、都へと凱旋します。
(・・・ちょっとながくなりすぎちゃった。。。)



<第2楽章>
国王の葬列。花輪を抱えて先頭を進むのは、小姓をつとめていた少年。その後ろに、威厳に満ちた黒塗りの棺。
沿道の老婆が嘆きの歌を短く謡うと、静粛があたりを包みます。葬列は、しかし整斉と進んでいくばかり。
棺に付き添う王妃は、黒いヴェ−ルを冠ってはいても、その目に英雄の妻としての誇りを湛え、胸を張っています。それに励まされ、人々は「わが国、万歳!」と、いっせいに歓呼の叫びをあげます。
だからといって、国民の父を失った深い悲しみが消えるわけではありません。
棺が聖堂の戸をくぐって、民々からは見えなくなると、みな、葬列の後尾を追いかけて聖堂前へと殺到し、あたりには嘆きの涙と声が嵐となって渦巻きます。
「静まりなさい。」
聖堂の前に現れた司祭が、嵐を沈めるべく杖を振ります。
息をひそめる人々の耳に、冥福の祈りを呼びかけるラッパが高らかに響き渡ります。
人々は、国王への哀悼を胸に、ひとり、ふたり、と聖堂の前から去っていきます。


<第3楽章>
のど元過ぎれば悲しみ忘れる! 戦いから解き放たれて、男たちはどんちゃん騒ぎ。酒は飲み放題、恋人にキスはし放題!
そこへ、屈強の狩人が3人掛かりで大イノシシをぶら下げてきました。
丸焼きをいちばん最初に口に出来るのは誰でしょう? みんなよだれダラダラです!

<第4楽章>
今日は、新国王を選ぶ大事な日。議場は、壮麗な広間。
だのに、最初に現れたのはたった一人のピエロ。何かいたずらを企んでいるのでしょうか?
ピエロはまず、広間に赤い毛氈を敷き、その上で、道化に似合わぬ優雅な仕草で踊ってみせます。
「きさまが王になるつもりじゃないんだろうな!」
集まっている貴族たちは、踊るピエロを取り囲みます。追っかけっこの大騒動。
「まあ、お待ちなさい。」
現れたのは先王の王妃。
「次の国王は、人々の推薦でもう決まっているのです。そうでしたね、ピエロや」
「仰せの通りで」
壮麗な響きとともに、盛装した男性のシルエットが正面に現れます。
ですが、正面は暗くて、その顔がよく見えません。
いぶかる貴族たち。
その中の一人が、やっと気付きます。
「あ、先王のご子息。先王にも勝るとも劣らない勇気と知恵の持ち主であらせられる!」
もう、貴族だからといって格式張ってはいられません。
嬉しくて仕方がないからです。
キンキラの上着をぬぎすて、貴族連中も、町場の民衆と同じように、
さんざんどんちゃん騒ぎを始めてしまうありさまです。

・・・というあたりで、このへたくそきわまりないお話を終わりにします。

やっぱし、ワシには文学的才能がないヤ。

お役に立ちませんでした。

こんな具合で、ご自分なりに想像してみて下さいネ、ぜひぜひ。

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