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2006年10月28日 (土)

N響in Carnegie Hall(Takemitsu,Bartok,Ravel)

27日付記:夕べ結局ノビましたので、記事本文は今朝、さっき飯の後で訳しました。昨日暫定的に綴ったものは一部を末尾に移すほか、冗長な部分を削除します。・・・それでも冗長でしょうけれど。なお、昨日の記事そのものは削除します。
(本文訳:決まり文句ですが〜誤訳ご容赦)

<世界を跨いで絡み合う音楽的血脈をたどる>

アシュケナージ/NHK交響楽団アメリカ公演からカーネギーホールでのコンサートの評

(バーナード・ホランド記、New York Times web)

Ashkenazy月曜(2006.10.23)夜のカーネギーホールでのNHK交響楽団のプログラムは、武満徹「鳥は星型の庭に降りる」で始まった。演目の最後はラヴェルの2つの「ダフニスとクロエ」組曲だった。一つの意味では、この演奏会は日本のオーケストラが自国の大看板作曲家の披露で始まり、終演は奏者たちの才能を華麗な響きで誇示したものではあった。2作品の間に置かれたバルトークの第3ピアノ協奏曲はまた、副次的な血脈のある作品を組み込んだものだった。

バルトークの管弦楽は頑健で・・・およそ華麗な響きと隣り合わせにナマクラ楽器が配されているに等しい。その原点はリスト、ベートーヴェン間のいずこかに位置し、遡ればバッハからの血脈をたどる線上にある。系統樹上の武満の枝はより短く、「ダフニスとクロエ」については血脈の出発点からすれば幾分特殊な例である。

19世紀末にかけてのフランス芸術は、その光景と音響で、パリ万博に遭遇した極東日本にとり電撃的な驚異だった。武満は何世代も後に登場したのだが、結果的に日本を模造したフランスの模倣、としての日本音楽、という成果の魅惑にとりつかれたのだ。

こうしたことは上辺だけになりやすい危険を孕んではいる。武満は、自らの過去を「鳥は星型の庭に降りる」のような愛らしい小品に取り入れた。ここに見られる影響は、自国の優れた織物や書、絵画に比してあまり日本風ではないように思われる。仮にバルトークが薄暗い正直さで快楽主義を拒んでいるのだとすれば、「鳥は・・・」を聴くことは事物を光の元へひっくりかえしてやり、光を反射する物体へと変質させるようなものだ。欧風和声は滑らかな水平運動と響きの雲へと置換され、全的に独自な運行とでもいったものになっている。

バルトークでのピアニストはヘンレ・グリモーがつとめた。彼女の気取らない正直な演奏、自己中心的な解釈への拘泥を拒絶する姿勢には好感が持てた。ウラディミール・アシュケナージはNHK交響楽団の首席指揮者として二年前からこんにちまで指揮にあたっている。アシュケナージがこのオーケストラのこんにちある状態まで質を高めたのか、または単にメンテナンス人員だったのか、いずれであっても、アシュケナージは、反応も鋭敏で心地よくもある弦楽器や管楽器陣のアンサンブルには、きっと貢献しているのだろう。木管の個々の演奏はクリーヴランド管弦楽団やシカゴ響の演奏会でほど目立ったりしていないようではあるが、共同でのセクション演奏となると、ラヴェルでのグリッサンド効果は見事なものだった。

デッソフ・シンフォニック合唱団が2つの組曲で(上品に)歌っており、さらにアンコールでもステージ上にいて、フォーレのパヴァーヌに声楽を加えたもので参加した。フランスの出版者はつねづね販売拡大が関心事であるが、どんな長さや編成によっても販売促進できればいいのではある。今回のフォーレのパヴァーヌは、ある瞬間は感動的に響くものの、ほかの箇所では変に場違いだったりもしたのだが。



(以下、私見)
いつも思うのですが、日本の新聞と違って記者さんの見識で評を書いているのが素晴らしい。しかも、記者さん自身が音楽史的背景をきちんと知っているために客観的な筆致で綴られています。べた褒めしたり、貶し一方に勢力を注いだりという愚は犯しません。批評はかくあるべし、でしょう。
カッカ、キャンキャンしてないのが、いいです。そのほうが誉められた人は(健全な精神の持ち主なら)じわじわ嬉しいんじゃないでしょうか。貶されるほうでも、諦めがつきやすい。

私なんかも記者さんを模範に、反省しなくちゃならんかな。・・・いや、能力が追いつきませぬ。

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