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2006年8月12日 (土)

Schostakovich第5CD(5):バルシャイ

第14番の初演者バルシャイが私費を投じてWDR(旧ケルン放送交響楽団)と作り上げたショスタコーヴィチ交響曲全集は、早くに廉価化され、随分売れたと思われます。かつ、これで初めてショスタコーヴィチの交響曲の全貌に触れた人は、充分満足したのではないかと思います。
これが初めて聴いた全集ではない人にとっては、しかし、演奏が全般におとなしめだと感じられたかも知れません。これはバルシャイがモスクワでは室内楽オーケストラを率いており、ショスタコーヴィチの14番もそのオーケストラで行なった、ということも大きく関わっているのではないでしょうか?

この全集の「第5」演奏については、そうしたバルシャイの室内楽的な耳が浮き彫りになっています。
テンポの起伏も少なく、過剰な歌もありませんが、各パートの線が、他の指揮者では聴けないほどクッキリ浮かび上がっているのです。
ですから、実際の演奏に当たって各楽器の人、とくに打楽器の人には、入りのタイミングがスコアだけからは読みにくいとき、バルシャイの演奏が最も参考になるはずです。

ちなみに、初演の棒を取った第14に限っては、バルシャイよりもコンドラシンの方が客観的な演奏をしているのが、私にはなんだか愉快に思われます。それぞれ、初演した作品に対しては、どうも、思い入れが強いようです。
「生涯、初演した交響曲しか採り上げなかった」
ムラヴィンスキーの頑固さも、(彼の置かれた環境を度外視すれば)コンドラシンやバルシャイと、姿勢を共有していると言ってしまって差し支えないかと思います。

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