« K22からK33まで-長旅の終り(4) | トップページ | K22からK33まで-長旅の終り(2) »

2006年6月20日 (火)

K22からK33まで-長旅の終り(3)

K22,K.Anh.221

一方で、交響曲群は素晴らしい出来です。
ハーグで作られたと判明しているのは2作品ですが、ザルツブルク帰還後に修正を加えられたK.Anh.221(旧ランバッハ)が幾分古めの形式を保っているのに対し、K.22はクリスチャン・バッハから吸収したものを初めて存分に、のびのびと発揮した音楽として、より注目に値します。

交響曲変ロ長調 (第5番)K.22 completed December 1765 at Den Haag.

I.Allegro(変ロ長調[4/4],98 bars [繰返しなし]. 20小節の 展開部と10小節のコーダをもつソナタ形式) :はじめて本格的なソナタ形式を採用した楽章だと思います。フォルテとピアノの迅速な交替、より旋律的になった上昇音型・下降音型の採用、2つのヴァイオリンパートの間で交わされる会話の立体的な効果などには目を見張ります。(私の聴いた3つの録音ではピノックのもの以外、とくに3点目の立体的効果を出し損ねていて、残念です。)

II.Andante(ト短調[2/4], 57bars [繰返しなし].二部形式) :先行する作品にはなかった、深い嘆きを示すテーマは、ヴォルフガングの精神的な成長を示すものでしょう。美しい楽章です。

III.Molto allegro (変ロ長調[3/8],97 bars [繰返しなし].A-B-A-B'-A-Coda) :このテの陽気な音楽はヴォルフガングがこれまでに充分つくりなれたものですが、前2楽章の影響でより朗らかに響きます。B'の部分 ( 51小節から66小節まで)に、とくに注目下さい。3音から成るモチーフを彼がいかに巧みに展開させているかを感じ取れる部分です。

交響曲ト長調K.Anh.221("旧ランバッハ")第1稿は1766年にDen Haagで書かれており、第2稿はその改訂版としてザルツブルクへの帰還後に書かれています。第2稿はおそらく1769年に、その愛称の由来となっているランバッハで、父の作(新ランバッハ交響曲)とともに演奏されたものと考えられています。私は残念ながら第2稿の演奏しか耳にしていません。

改訂の主なポイントは、
・1st Oboe の5小節目の取り扱い
・第2楽章のバスセクションを、アルコからピチカートに変更
・第3楽章21-24小節のバス声部をオクターヴ下げたこと
などなど、です。

I.Allegro maestoso(ト長調[4/4],84小節.二部形式)
II.Andante(ハ長調[2/4],84 小節.三部形式).弱音器付弦楽器の響きが妖艶です。
III.Molto allegro(第2稿ではPresto.ト長調.[3/8],112小節.ソナタ形式に近いのですが・・・)

なお、偽作「オーデンセ」交響曲(ヴォルフガングの作品にしては全体が硬質です)については割愛します。

|

« K22からK33まで-長旅の終り(4) | トップページ | K22からK33まで-長旅の終り(2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/2301852

この記事へのトラックバック一覧です: K22からK33まで-長旅の終り(3):

« K22からK33まで-長旅の終り(4) | トップページ | K22からK33まで-長旅の終り(2) »