« K.20,K.21,K.23/最初の声楽作品群(2) | トップページ | 遊びをせんとや生まれけむ »

2006年6月12日 (月)

K.20,K.21,K.23/最初の声楽作品群(1)

K.21 "行け、怒りにかられて"(テノール用アリア)
ロンドン滞在中に,モーツァルトは当時の有名なカストラート歌手の一人、ジョヴァンニ・マンツォーリから声楽、とりわけイタリア的歌唱法の様式と技術を学びました。
おそらくはマンツォーリの指導の元で、彼はアリア「行け、怒りにかられて」(K.21[19c])を作曲しましたが、それは、当時人気のあったパスティッチョ(いろんなオペラのいいとこ取りをして組み合わせたもの。ちょっと性質は違いますが、演歌ショーみたいなものでしょうね)「エツィオ」で端役を歌っていたテノール歌手のエルコーレ・チピアンディの為に書かれたのでした。ヴォルフガングが使った歌詞も、「エツィオ」の中のものです。

このアリアは1765年 (それ以上詳しい日付は分かりません).に作られましたが、実際に歌われたかどうかは記録に残っていません。

歌詞は以下の通りです(メタスタージォ作)〜なお、誤訳はご了承下さい。

1:Va,dal furor portata,(怒りにかれれて行け,)
2:Palesa il tradimento;(偽りを暴きだすのだ;)
3:Ma ti sovvenga, ingrata,(しかし覚えておかなければならない,じつは難しいことなのだ,)
4:Il traditor qual e.(誰が裏切り者なのかは .)

5:Scopri la frode ordita,(不正な計画を見つけ出すのだ,)
6:Ma pensa in quel momento, (だがしばし考えてもおいてくれ,)
7:Ch'io ti donai la vita,(お前が私の生き甲斐だということを,)
8:Che tu la togli a me.(お前が私に必要ななのだということを.)

曲の構成は典型的なダカーポ・アリアです:
(なお、この曲とK.23については楽譜が入手出来ませんでしたので、聴いた結果で記しています。詳しい資料のある方は是非間違いをご指摘下さいますと助かります。)

オーケストラによる16小節の前奏を経て、【()内は行番号】
まずは:主調(1,2,2)-属調(3,4,4)
続いて:主調(1,2,3),属調(4,4,4 )
前半の最後に:主調(1,2,2,3,4,カデンツァを伴って4);

中間部は10 小節の間奏を挟んで始まりますが、慣例的に主部より短くなっています。
下属調(5,6),平行短調(7),属調(8);

その後、また主部(1〜4行)に戻り、カデンツァがより華やかに歌われて終わります。

ヘンデル(たとえば「ジュリアス・シーザー」など) やJ.C.バッハ(「エンディミオーネ」他),に比べてしまうと技術的に劣るのはやむをえませんが、歌は充分にいきいきしています。

|

« K.20,K.21,K.23/最初の声楽作品群(2) | トップページ | 遊びをせんとや生まれけむ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/2183494

この記事へのトラックバック一覧です: K.20,K.21,K.23/最初の声楽作品群(1):

« K.20,K.21,K.23/最初の声楽作品群(2) | トップページ | 遊びをせんとや生まれけむ »