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2006年6月 7日 (水)

モーツァルト最初の3交響曲/ K.16,19,Anh223(6)

Mozartsym1_1_1
K16冒頭自筆譜(高橋英夫氏『モーツァルト366日』所載)

それぞれの作品、各楽章固有の特徴は以下のとおりです。

K.16
1st mov.
この楽章には明確な旋律的主題がありません。
次々に移ろう和声の響きによって巧みに色付けされています。
2nd mov.
「ジュピター」第4楽章のテーマ(ザルツブルクで死去したビー
バー[1687-1704]の「アニュス・デイ」に由来するとも、より
古い聖歌に由来するとも言われる旋律)が現れることで有名な楽章
ですが、この主題を2本のホルンが演奏している間の、弦楽器セク
ションに傾聴して下さい。・・・まず 7,小節目で2nd ViolinがEs音
を、次の小節で1st violinがF音を、さらに次の小節でviolaがAs音、
最後に2nd violinが変化してG音を、それぞれ3連符で重ねていきま
す。これにより、主題に立体感が生まれます(生演奏で味わいたい
ところですネ)。
3rd mov.
21-28小節に半音階的効果が見られます。
38-54 小節では、明確に半音階を用いています。

K.19
この交響曲はモーツァルトの進歩をいっそうはっきり見せつけてくれます。
1st mov.
繰り返しの指示がどこにもありませんが、忘れたのではないと思います。
一気通観で演奏しても全く半端な感じがしませんから。
また、管楽器(ホルンとオーボエ)の扱い方も過激なほど野心的です。
7小節めでホルンがその4小節前のヴァイオリンのモティーフを真似。
オーボエは多くの箇所で旋律的な活躍。
・・・等々。
是非、スコアでお確かめ下さい。
2nd mov.
弦パートがお互いに美しいエコーを交わしあいます。
まずは2nd vinolin とviola.、続いて1st violin and 2nd violin、
再び2nd vinolinとviola.、そして2nd violinと低音部。
22小節ではホルンが穏やかに、幾分哀愁を帯びて響きます。
3rd mov.
この楽章は前の2楽章の見事な要約です・・・すばらしい、の一言。

K.19a
1st mov.
伴奏の激しいトレモロが、1st Viollinの歌う伸びやかな主題をいきい
きと引き立てます。
伴奏の音型は、主題のムードによっては素早く表情を和らげて見せた
り、と、変幻自在ぶりも示しています。
    主題の後半部は、面白いことに、カノンとして処理されています。
まず1st Violinと1st oboe,、次に2nd violin と2nd oboe,
締めくくりは低音部、という具合です。
2nd mov.
violaパートの奏でる、チャーミングな、踊るような音型には、思わず
魅了される筈です。
3rd mov.
転調の巧みさを存分に見せつけられる楽章です。
とりわけ、以下の箇所。
bars 33-38 : F dur, bars 39-46 : G moll,
bars 47-52 : A moll, bars 53-56 :G moll,
then return to F dur.
これらの転調によってかもし出される万華鏡のような色彩変化を
とくと味わっていただければ幸いです。
なお、76小節目、ヘ短調で不安げになったところにフェルマー
タがあります。・・・ココで何が起きるのか、と、聴衆の耳をそ
ばだてさせる機知のセンスは、ハイドンも顔負け!

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