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2006年6月 7日 (水)

モーツァルト最初の3交響曲/ K.16,19,Anh223(3)

ロンドン滞在中のモーツァルトの交響曲は、クリスチャン・バッハ、当時の彼の相棒アーベルの影響を強く受けている、と言われています。が、モーツァルトの作品が8歳という年齢からして完成度が高い理由を、この2先輩の音楽性を少年が存分に吸収したから、と考えてしまうのは、ちょっと早トチリではないかと思います。
まず、モーツァルトの最初の3交響曲は、聴いた印象からだけでいえば、クリスチャン・バッハに比べると遙かに重くて分厚い、ドイツ的(オーストリア的?)なつくりになっていると感じます。アーベルは過去に2曲ほど演奏した経験はありますが、かすかな記憶から考えても、クリスチャン・バッハよりはエマヌエル・バッハに近かったな、というところで、これはまたモーツァルトのこの3曲の作風とは異なっていたと信じています。
(モーツァルトの初期交響曲がドイツ的に響く代表例はK.16の第2楽章で、あたかも独奏を欠いたJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲の第2楽章を意識したようなつくりになっています。)

「でも、構成がイタリア風序曲じゃないか」
と反論されるかも知れません。
しかし、3楽章構成のシンフォニアは、(2)で例示した通り、父レオポルドだって作っています。中には、息子のK.16と同じく、短調の第2楽章をもつ作品も存在します。
少なくともクリスチャン・バッハは除外しえるのではないか、と考えるもう一つの理由は、長い間モーツァルトの交響曲第2番と考えられていたK.17は父レオポルドの作品、同じく第3番と考えられていたK.18はアーベルの作品だったことで、交響曲に関してはモーツァルト少年はクリスチャン・バッハ路線は当初は学んでいなかったのではないか・・・むしろ、少年はオペラの大家としてのクリスチャンの方に大きな敬意を払い、その壮大な創作力を目標にすることの方が寄り妥当だ、と考えたのではないか、と、(私の勝手からですが)推定しても差し支えなさそうな気がするからです。

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