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2006年5月22日 (月)

非常ベル事件

「面白かったから日記に書け」との娘の命令ですので綴りますが・・・本人はそうでもなかったんですけど。
土曜日の夕方、家内の留守中に家(古マンションの7階)でごろごろしていましたら、息子が
「外から何か聞こえる」
と言います。
「ふうん・・・」
と、別に気にもとめず、横になったまま鼻くそをほじくっていますと、
「すごい音なんだよ、来てみて」
としつこくくりかえすので、仕方なくのっそり起き上がって、ドアの外に出ました。
ドアを開けるまで良く分からなかったのですが、開けたとたん、けたたましい非常ベルの音。いや、けたたましい、では言葉が足りません。耳をつんざく、あるいは、耳かすも吹っ飛ぶ、いや、耳が切り取られる・・・どう表現したらいいんでしょう、とにかく、あたりの町じゅうにこだまするほどの大音量でした。
そのうち、通路に人だかりがしてきました。
「どこのウチで鳴らしたのかしら」
「鳴らすとそのウチの前で赤いランプがつくのよ」
「ほら、あそこんちだ。点いてるよ、赤ランプが!」
「あんた、行ってきなさいよ」
「いや、おまえ、いきなよ」
隣家のご主人はいつも非常時に大活躍なのですが、このたびは二の足を踏んでいます。それもそのはず、上半身は下着一枚のお姿。
非常ベルのなっているウチは、息子の友達の住まいです。
仕方ないので、私がいやいや行きました。
玄関で「ごめんください」と何度も叫びましたが、誰も鍵を開けてくれません。
このお宅、奥さんが外国人なんです。言葉が通じないのかなあ、ということで、
「Hello!」
なんても叫びましたが、歯抜けで発音も悪いせいか、うんともすんとも返事がありません。
そのうち集まってきたいろんな人たちが、後ろから心配そうに覗いています。
玄関脇の部屋で子供が遊んでいるらしいのを、駆けつけた別の中学生の子が感づいて、そこから子供たちに向かって「玄関開けてよ」と怒鳴ってくれました。その脇で、ウチの息子も
「タイヘンなことになっているんです!開けないとタイヘンですよ!どうにかして開けてください!」
なんて、友達ンちなのにヘンテコな丁寧語で連呼していました。親としてちょっと恥ずかしいので
「おまえは黙ってナ!」
でも、みんな真剣で、幸い、こんな親子を滑稽だとは思わなかったようです。

やっとドアが開きました。
あけたら、玄関の内側は靴でいっぱい。今度は、みんなためらって、なかなかそこから中へ進みません。で、私が入っていきました。
中ではパーティをやっていたのです。最近赤ちゃんが生まれたんで、お祝いでもしていたんでしょうね。とにかく、リビングからキッチンから子供部屋まで、パーティをやる親戚友人でごったがえしていたんです。
そんな混雑の中で、たぶん、子供が間違って非常ベルのボタンに触ってしまったもののようでした。この非常ベル、表にはさんざんでかく響くくせに、鳴らしてしまった部屋の中ではさっぱりきこえないのです。で、誰も気づかなかったのでした。
ベルは私が解除して、やっとおさまりました。一件落着。いや、入り口についた赤ランプが消えていません。
「いや、こいつはしばらくしないと消えないんだよ」
と、事情通のだんなさん。
それで一段落。集まった人たちは三々五々帰っていきました。

つくづく思いました。
人は事件が起こると情熱的に集まるけれど、事件が収まったら覚めきって帰るばかり。この一抹の寂寥感がまた、野次馬するにはタイヘン魅力的な気分なんだなあ・・・って。

でも、鳴らした当人が気づけないようなベルのつくりにも問題あり、ですよネ。

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