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2006年5月11日 (木)

「イタリア風」シンフォニア 2

イタリア風シンフォニアを確立させたとされるアレッサンドロ・スカルラッティが、どのオペラの序曲にもイタリア風シンフォニアをつけていたわけではありません・・・と偉そうに綴っていますが、私は楽譜やCDを買いまくれるような身分でも職業でもありませんから、たまたま聴いたことのあるCDが小さなオペラ2作品を収録しており、それらの序曲がイタリア風シンフォニアではなかったことから知ったというだけです。それら2作品の序曲は、小振りでチャーミングな音楽でした。そればかりか、うち1曲は小規模ながら立派なフランス風序曲でもあるのです。
弟子のドイツ人、ハッセにも面白い例があります。1769年作のCANTATE"L'ARMONICA"という作品の序曲は、構造は緩〜急〜緩で、これだけみるとフランス風序曲のようです。しかし、聴いてみると、印象はどちらかといえばイタリア風シンフォニアに近い感じです。フランス風序曲は声部間の対位法的な掛け合いが特徴なのですけれど(ヘンデル「メサイア」の序曲、バッハ「管弦楽組曲」第1曲などを思い出して下さい)、ハッセのこの作品にはそのような掛け合いが全くありません。このカンタータ、グラスハーモニカの名手だった弟子のソプラノ歌手のために書かれたとのことで、途中グラスハーモニカの響きも聞こえるユニークで美しい曲ですが、序曲部分は後にモーツァルト最後の3楽章構成の交響曲「プラハ」につながっていくものを孕んでいるように思われます(次々項参照)。
有名な話ですが、このハッセ、少年期のモーツァルトとミラノで「オペラ合戦」をし、敗れています(ちょっと歪曲した言い方です!)。その結果、ハッセはオペラ創作の筆を絶つ結果となりました。作曲家の世代交代と時代転換を象徴するこの事件は、1771年のできごとです。

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