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2006年5月17日 (水)

僕は耳を閉じている

朝、出勤前に喫茶店で、「世界の調律」の頁を紐解き始めました。
序章で、著者シェーファーは
「私は本書を通してずっと、世界をマクロコスモス的な音楽として扱っていくつもりだ。」
と宣言しています。
これは、耳をきちんと「開いている」言葉だ、
「それにひきかえ」
と、ふと自分を振り返って、妙な気持ちになりました。

毎朝毎夕、通勤退勤の道すがら、私は古いiPodで、ちっとも上達しない語学の勉強用録音を聞いているか、こんど演奏会でやる交響曲を聴いているかしています。・・・中身は、しかし、どうでもよろしい。
イヤホン経由で音を聞いているあいだには、たとえ雑踏の中にいても、私は周囲の音に囚われることがない。それはそれでいいのだろうか?
「いいんじゃないの?」
「いや、どうだろう」
自問。
「これって、自分からすすんで、周りの世界から切り離されることを良しとしているわけだから」
「だから? それで寂しいとか?」
「それは、ないけど」
「じゃあ、やっぱり、いいんじゃないの?」
「どうだろうなあ?」
どうだろう、に戻っていってしまう。
「僕は耳を閉じている。世界から自分を切り離している」
「それって、なんだかすごそう」
「すごいといえば、すごい」
「世界を足蹴にしているんだものね」
「そこなんだよ」
世界を切り離している自分は、主体的にそうしているのかどうか。
むしろ、私がiPodのイヤホンで耳を閉ざすと、世界のほうが私を義絶しているんではないだろうか?
イヤホンをはずすたび、私は無意識に世界に対して謝罪をしているのではないか?



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