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2006年5月11日 (木)

「イタリア風」シンフォニア 1

クリスチャン・バッハの作品18は、今日ふうに言えば「6つの交響曲」となるのでしょうが、出版当時の呼び名は「6つの大序曲」です。収録されている6つの作品全てが急〜緩〜急の「イタリア風」な3楽章で構成されています。しかしなんで、これが「序曲」なのでしょうか?
答えのヒントは、最近出た書籍「交響曲の生涯」(石多正男著 東京書籍 2006.4.12)をお読み下さい。私たち一般読者向けながら、交響曲の歴史を緻密に追いかけており、面白い読み物です。この本に掲載された18世紀後半から19世紀初頭のプログラムからは、「シンフォニア」または「交響曲」がコンサートの幕開けに取り上げられていることが読みとれます。「交響曲」は今日のような「演奏会のメイン」の位置にではなく、コンサートの導入に奏される曲種だった、というわけです。交響曲がメインに移行するのはハイドンの演奏会をもって嚆矢とします。
オペラの序曲が、バロック後期までに
・緩〜急〜緩の「フランス風」(3部分が連続している)
・急〜緩〜急の「イタリア風」(3部分が個別の部分となっている)
の2様式が主流となったこと、後者が古典派時代に「交響曲」へ変貌を遂げていったことは、周知の通りです。
参考までに、「交響曲の生涯」には次のように記載されています。
「序曲の原語はOuverture(仏、伊)であり、イタリア風序曲(中略、すなわち)18世紀を通してスカルラッティ型の「急〜緩〜急」の3つの楽章からなるシンフォーニアに対して、Ouvertureと記されている例はほとんどない。」

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