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2006年5月29日 (月)

演奏とは何か(2)

アーノンクールは、20代の頃までは、好みの音楽家ではありませんでした。どちらかといえば、その逆でした。
大学の時、海老澤敏先生が講師で「モーツァルトを聴く」といった講義をなさって下さいました。楽しみで聴講を始めた、その初回に、
「最近はモーツァルトの演奏も変化してきた」
と仰って、最初に聞かせられたのが、アーノンクールによる「ハフナー」の演奏でした。
そのころ所属していた学生オケは自分達のモーツァルト演奏にかなりの自負を持っていましたが、それは弦楽器の場合はスピッカート奏法を主体にした軽やかな音楽作りを目指すもので、当時まだ流行っていた
「軽くて明るいモーツァルト」
像からくる考え方でした。
聴かされた「ハフナー」は、まさにその正反対の演奏でした。
「重い肉体を持った激しいモーツァルト」
でした。当時の仲間の価値観とは大きく逸脱していたのです。
ショックのあまり、海老澤先生は我々をとんでもない詐欺にあわせるつもりなんじゃなかろうか、と疑って、私は聴講をやめてしまいました。
今考えると、とても勿体ないことをしました。
一方で、私がなけなしの小遣いでやっと買えた「マタイ受難曲」のLPはアーノンクールの演奏でした。高校生のころだったかと思います。この演奏は、言葉は合わないのかもしれませんが、「とても美しい」もので、LP用のプレーヤーがこわれるまで愛聴していたものです。
果たして、アーノンクールという人は信用していいのか、いけないのか。

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