« 非常ベル事件 | トップページ | スケルツォで踊れます? (3) »

2006年5月23日 (火)

K.2 から K.5(5a=9a, 5b=9b)まで

K.2 から K.5までは似通った作りをしています。
K.5のみ二部形式ですが、K.1で到達した前半後半が均等な構造を抜け出し、
後半が長めの作品を作るのがあたりまえになって、ソナタ形式へ向けて一歩
進展した技量を身につけたことが分かります。

K.2 Menuett F-dur (1762.1 Salzburg)
8bars(repeat) and 16bars(repeat); 三部形式
Bars 9-12 are G minor
転調は下属調の平行調へとなされています。

K.3 Allegro B-dur (1762.3.4 Salzburg)
12bars(repeat) and 18bars(repeat); 三部形式
Bars7-12 are F major, 13-16 are G minor.
転調は下属調、続いて主調の平行調へとなされています。

K.4 Menuett F-dur (1762.5.11 Salzburg)
10bars(repeat) and 14bars(repeat); 三部形式
Bars 5-10 are C major,11-12 are Bb major,
13-14 are C major.
17-18小節では主要主題がその前までよりオクターヴ低く歌わ
れます。響きがより立体的な音楽を作りたい、との欲求があら
われたものと思われます。次のK.5では17-18小節をその前か
らオクターヴ上げる、という、逆の試みをしています。
転調はいずれもオーソドックスに属調へと成されています。

K.5 Menuett F-dur (1762.7.5 Salzburg)
10bars(repeat) and 12bars(repeat); 二部形式
Bars 5-10 are C major, 11-12 are Bb major,
13-14 are C major.

次の2曲はモーツァルト一家がパリやロンドンへ旅している頃の作かと考え
られています。作風に、2〜3年成長しておませになってきたヴォルフガン
ゲル君の、ほほえましい背伸びを感じさせられます。

K.5a(9a) Allegro C-dur (1764?)
21bars(repeat) and 23bars(repeat); ソナタ形式
( コーダ無し)
Bars 9-26 are G major, 29-31 are F major,
32 is D minor, 33 is A minor.
Bars 14-21 are tha 2nd theme.
22-27小節は、ささやかですが展開部。
28-44 小節が再現部となっています。
・・・いつのまにかソナタ形式が身に付いています。
主題と構成が、のちのハ長調の小さなソナタ(k.545)の冒頭楽
章と似ています。8つ子の魂32まで。。。

K.5b(9b) Andante B-dur (Unfinished 1764? )
37bars. 幻想曲風、とでも言ったら良いのでしょうか。
冒頭に示される情感は、これまでのどの作品よりもナイーヴな
ものとなっています。
Bars 13-14 are F major, 15-16 are F minor,
17 小節以降は延々とg-b-desの減五の和音に向かい続けて抜け
出すことが出来なくなっています。これがこの作品を未完成に
した大きな要因となっているのではないかと感じます。
幼児期を脱しつつあった9歳のモーツァルトが、将来について
期待と不安がないまぜとなった夢を見ているような、そんな
印象を与える雰囲気を持っています。

|

« 非常ベル事件 | トップページ | スケルツォで踊れます? (3) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/95716/1912407

この記事へのトラックバック一覧です: K.2 から K.5(5a=9a, 5b=9b)まで:

« 非常ベル事件 | トップページ | スケルツォで踊れます? (3) »