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2006年5月17日 (水)

メヌエット問題!:5 変貌の始まり

モーツァルトに、宮廷や貴族の需要のために作られた大量のメヌエット(単独のもののあつまり)があるのは、よく知られています。ハイドンについても同様です。しかし一方で、18世紀末に庶民が好んで踊ったのはコントルダンスであることが判明しています。
一方、ルイ14世の宮廷にメヌエットを定着させた、と言っても多分間違いないリュリその人には、92作のメヌエットがあるとのことです。
リュリの作例でも単独のメヌエットはとうとう見つけられず、バロック期の作例で探すと、素人の私が見つけ得たメヌエットは、ソナタや管弦楽組曲(タイトルはあくまで「序曲」)の中の1曲、というものばかりです。少なくともルイ14世の宮廷舞踏会ではメヌエットだけを単独で踊る、ということはなかったからのようです。
数が少ないので統計的に有意な断言は出来ませんが、バロックのソナタや「序曲(管弦楽組曲)」の中でのメヌエットの配置には、興味深い特徴があります。

・「メンバー入場」を示す曲の次に置かれている例
 マッテソン(1681-1764):
  序曲「カスティリアとレオンの王エンリコ6世
     の秘密の出来事」
     〜3曲目が「兵士の入場」で、
     それに続く4,5曲目がメヌエット
 コンティ(1681-1732):
  序曲「シエラ・モレナのドン=キスチオッテ」
     〜2曲目「入場」に続く3曲目がメヌエット

・最後または最後から2曲目に置かれている例
 テレマン(1681-1767)
  序曲「喧嘩」
 J.S.バッハ
  序曲(管弦楽組曲)第2番、第4番

バッハ以外はハンブルクで活躍した人々で、しかも同じ年齢です。
上で見るように、メヌエットの配置には2パターンあります。
最初のパターンは、入場曲のあとにあり、挨拶を交わしながら踊るメヌエットがそれに続く点で、舞踏会を彷彿とさせます。
あとのパターンでも、組曲は第1曲(実質上の序曲)を除いて全て舞曲からなるのですが、メヌエットが終曲又は最後から2番目というのは、どちらかというと、それまでの興奮をいったん静めるという、雰囲気のコントローラー的な役割を担う効果を担っているように聞こえます。大バッハの「無伴奏ヴァイオリンのパルティータ第3番」や「無伴奏チェロ組曲第1番、第2番」もこちらのタイプに属します。

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